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Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア

平野美紀|オーストラリア

空飛ぶギャング、怪鳥のごとき破壊鳥 ―迷惑だけど、憎めない野生の隣人たち:鳥編

まるで「大巨獣ガッパ」のような大型オウムのキバタン。毎日のように現れては、ときおり悪戯をして帰っていく。(筆者撮影)

人間さえも恐れない、野生らしからぬ態度で困惑させられっぱなしの、オーストラリア固有の生きものたち。無断で家宅侵入するのは、有袋類だけではない。鳥も同様だ。

オーストラリアには、動物園などでなければ見られないような珍しい鳥や、ペットとして人気のカラフルなインコやオウムが、野生下で生息している。シドニーのような都市部でも、キバタンやモモイロインコ、ゴシキセイガイインコなどが、日本のスズメやカラスくらい手軽に見られるため、鳥好きにとっては楽園と言えるかもしれない。

だが、現実はそんなに甘くない!?

わが家にも、インコやオウムがほぼ毎日やってくる。きれいでかわいいのはいいのだけれど、窓を開けていると勝手に家の中に入ってきたり、悪さをしたりするので、本当に油断ならない。

※このコラムは、【前編:有袋類編】と【後編(これ)】に分かれています。ぜひ、最初から通してお読みください!

図々しくて、騒々しいインコに頭を抱える日々

とくに馴れ馴れしく、図々しいのが、ゴシキセイガイインコとキバタンで、目を離すとすぐ家の中に入ってきてしまうのだ。

ゴシキセイガイインコは、ほぼ必ずつがいで行動しているため、雄と雌のカップルまたは子どもを連れた家族でやってくる。しかし、他のカップルや家族が近づいてくると、耳がつんざけそうなほどの金切り声をあげながら、追い払おうと攻撃にかかる。この仲間同士の喧嘩が騒々しすぎて、奇声と共に十羽以上が一斉に飛び回ると、鼓膜が破れるかと思うほどだ。

なかには、こちらが驚くほど慣れ慣れしく、窓が開いていれば勝手に侵入するだけでなく、閉まっていても、コツコツとガラスを叩いて「開けろ」と催促をするものもいる。また、窓は開いているが、ブラインドが下りたままになっていると、ブラインドの隙間から覗いたりもするのだ。



まるで怪鳥...なんでも噛み砕いてしまう破壊鳥

綾瀬はるかさんとキバタンのコミカルな掛け合いが話題となったセイコールキアWEB限定ムービー「Seiko Lukia 2017 SS キバタン篇」(oricon 公式 YouTubeチャンネル)

CMなどでもお馴染みの白い大型オウムのキバタンは、ギャーギャーと耳がつんざけそうなほど大きな奇声をあげて叫びながら、いつもわが家の周辺を飛びまわっている。その姿はまるで怪鳥のようだ。

キバタンも勝手にやってきて、窓が開いていれば勝手に侵入するし、閉まっていればガラス戸の前にぴったりと張り付いて、開くまで待っていたりする。

無断家宅侵入されても、ゴシキセイガイインコの場合は、体長30センチ弱というその大きさから、被害といっても散らかすことくらいで、さほど問題になることはないが、体長50センチ前後もあるキバタンとなると、そうはいかない。

その太くて大きな嘴の破壊力は、ハンパないのだ!

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太くて頑丈な嘴でなんでも噛み砕く。野生なのに、こんなに近づいてもまったく逃げないどころか、逆にiPhoneを噛もうとする。(筆者撮影)

しかも、やって来た時に我々が出かけて留守にしていると、とんでもない悪事を働くことがある。例えば、デッキやベランダにある植物の枝を折って無茶苦茶にしてしまう、木製デッキやアウトドア家具、窓枠、家の木材部分を嘴で砕いて破壊する、などなど...迷惑この上ない悪行三昧。そこかしこの住宅がこうした被害に遭っているため、『destructive bird(破壊鳥)』と呼ぶ人もいるほどだ。

わが家もご多分に洩れず、キバタン被害に遭っている。百聞は一見に如かず。まずは、その「悪事」の例を以下で確認してみて欲しい。

自分が来た時に誰もいないのが気に食わないのか、洗濯物や靴、育てている野菜など、その家の人が大事にしているものを壊して、困らせようとしているかのようだ。そんな酷い目に遇わされても、見た目のかわいさと人懐っこさ、そして、たまに、どこからか採ってきたプレゼントを置いていってくれることもあったりして(真の意味は知らないが...)、なんだか憎めないのだ。

わが家の周辺には、キンショウジョウインコという、ちょうどゴシキセイガイインコとキバタンの中間くらいの中~大型インコも生息している。こちらも勝手に家の中に入ってきてしまうことがあるのだが、キンショウジョウインコは、たまに仲間同士で喧嘩する程度で、とくに害はなく、来てくれるとちょっと幸せな気分になる。

なんだかんだ言いつつも、キバタンもゴシキセイガイインコもキンショウジョウインコも、皆かわいい。こちらも楽しませてもらっているところがあるので、たまには迷惑をかけられても仕方ないと思ってしまうが、あまりにも度が過ぎて、開いた口がふさがらなくなることもある...

野生らしからぬ、野生の生きものたちに日々翻弄されるシドニー郊外での暮らし。楽しくもあり、ときには迷惑でもあり...野生の生きものたちが繰り広げる事件が毎日のように起きる波乱万丈さこそ、ここで生活する醍醐味のひとつなのかもしれない(笑)。〈了〉

【鳥好きさんへ、おすすめ記事】
鳥王国オーストラリア !スズメやカラスのように手軽に見られる野インコ Best 5

※わが家にやってくる鳥たちの様子は、Twitterのハッシュタグ #野インコカフェ でツイートしているので、興味のある人はどうぞ。

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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