
5月31日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、同日発射された人工衛星はロケットの2段目に異常が生じ、海に落下したと伝えた。写真は同日、ソウルの街頭で、北朝鮮によるロケット発射のニュースを見る人々(2023年 ロイター/Kim Hong-Ji)
日本政府は31日朝、北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられるとしてJアラートを発出した。沖縄県の住民を対象に避難を呼びかけている。
自民党幹事長に決定した甘利明氏 (写真は2015年) REUTERS/Yuya Shino
<幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる>
岸田文雄新総裁・新総理が誕生し、党役員人事及び組閣が進んでいる。今回の人事で日本の行く末を左右する最も重要な人事は自民党幹事長だ。
自民党幹事長は党公認権や政党助成金の扱いに関して絶大な権限を持つ。したがって、幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる。
日本の財界が自民党を支持していることは自明だ。そして、自民党幹事長が財界の意向を踏まえた意識決定を行うことは当然のことと言える。巨大な中国市場で鎬を削っている日本企業が反中姿勢を取ることは考え難く、米中対立が激化していく中、自民党幹事長は中国との適度な協力関係を維持する困難な仕事が求められてきた。
2016年から幹事長ポストは二階俊博議員によって長期間独占されてきた。二階氏は自民党幹事長に求められる役割をこなしてきた人物であり、それ故に同氏は親中派として揶揄される立場に置かれていたと言えるだろう。ただし、安倍政権時代のように官邸の保守色が強い場合、二階氏による党運営が対中政策でバランスを取ることは必然であったように思う。
岸田総理の誕生によって、この幹事長ポストが二階氏から甘利明氏に受け渡されることになった。これは単なる権力の入れ替えというだけでなく、日中関係などに多大な影響をもたらすことになり、日本の未来を変える出来事となる可能性がある。
岸田総理は必ずしも対中姿勢で強い姿勢を取ってきた人物とは言えない。総裁選挙中に、岸田総理は中国の人権問題に対して強気の姿勢を示す発言をしていたが、言葉に真実味を帯びさせるだけの政治的の裏付けは十分ではない。
一方、甘利幹事長は自民党における経済安全保障の第一人者である。同氏は自民党で経済安全保障政策を主導する「ルール形成戦略議員連盟」会長として、対中サプライチェーンの見直しなどを積極的に打ち出してきた人物だ。同連盟は2017年に設立されて以来、感情的な反中議論ではなく、対中国を念頭に貿易・投資に関する法案策定や国際機関人事での競争力強化などを打ち出し、冷静かつ理知的に日本が国際社会でリーダーシップを発揮する動きを推し進めている。
甘利幹事長の誕生は経済安全保障議論を急速に加速させる可能性があり、日本が同盟国・友好国に対して同分野で主導権を発揮する動きが活発化になるだろう。財界の意向を考慮しつつも、安全保障上の観点から現実的な政策が党から打ち出されていくものと思う。
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5月31日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、同日発射された人工衛星はロケットの2段目に異常が生じ、海に落下したと伝えた。写真は同日、ソウルの街頭で、北朝鮮によるロケット発射のニュースを見る人々(2023年 ロイター/Kim Hong-Ji)
日本政府は31日朝、北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられるとしてJアラートを発出した。沖縄県の住民を対象に避難を呼びかけている。
日本が学歴社会であることは誰もが認めるところだが…… takasuu/iStock.
<小中卒の刑務所入所率は大卒の25倍にもなるが、その背景には学歴差別による経済的困窮がある>
G7広島サミットは成功だったが...... Jonathan ErnstーREUTERS
<岸田首相が長男の翔太郎政務秘書官を更迭した。週刊文春の「首相公邸での大ハシャギ」報道がとどめを刺した形だが、なぜ即時でなく6月1日の辞任なのか。法律に基づけば、6月1日辞任なら200〜300万円と推測されるボーナスは満額支払われる>
WION-YouTube
<週刊文春の「首相公邸での大ハシャギ」報道がとどめとなり、岸田首相は長男の翔太郎政務秘書官を更迭した>
ILLUSTRATION BY NATSUCO MOON FOR NEWSWEEK JAPAN
<テーマは保守王国・石川県の議会における同調圧力と権力への忖度、そして男尊女卑。この作品に映し出される県議会の姿は、半世紀以上も自民党一強時代が続く戦後日本の縮図だ>