「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日直後に述べた、日本の風景の「無言の説得力」とは?
TOMOHIRO OHSUMIーBLOOMBERG/GETTY IMAGES
<まだ日本の土を踏んでばかり...。訪問者の心を真に動かす本質について>
ジョージアからシャルバ・ゴゴラゼ・スポーツ大臣が12月上旬に来日した。一国の閣僚クラスの公式訪問ともなれば、準備や調整に数カ月かかることは普通だ。綿密なスケジュール管理、宿泊や移動、面会先など関係機関との連携など、全ての工程を滞りなく進めなければならない。
とりわけ重要なのは、訪問団にとって実りある滞在になることであり、「来てよかった」と心から思ってもらえるよう、最大限の配慮を尽くすことだ。迎える側のプレッシャーの大きさは想像以上のものだ。
成田空港で再会の挨拶を交わし、都内へ向かう車中で「日本での滞在を気に入っていただければ嬉(うれ)しいのですが......」と、私は率直な気持ちを思わず口にしてしまったのだが、即座に返ってきた言葉は「もう既に、とても気に入っているよ」だった。
まだ日本の土を踏んでばかり。来日直後の耳を疑うほどの早い評価に私は驚いた。すると続けて車窓の外を指しながら「この静けさと奇麗さ。これだけで満足だ」と言うのだった。
そして「なぜ日本では渋滞がほとんど起きないのか」と、大臣は日本の交通事情に強い関心を示した。
私は、日本の交通インフラがいかに多層的であるかを説明した。高速道路に加えて地下鉄や新幹線、地方まで張り巡らされた鉄道網、自転車の普及や飛行機の国内線の利便性も含めて、日本では移動の選択肢が豊富で、どの手段を取っても一定の快適さが保証されていることを話した。
各国を飛び回る大臣にとって、移動は常に忙しさと緊張の連続だ。その中で、空港から都心へ向かう短い時間でさえ、街の雰囲気や人々の所作から「その国の空気感」が伝わってきたのかもしれない。
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