コラム

高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい

2025年12月03日(水)18時45分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
高市首相は「止まれ」のサインが見えなかったようだ

高市首相は「止まれ」のサインが見えなかったようだ PIMPAMPIX/SHUTTERSTOCK

<中国外相は「レッドラインを越えた」と非難したが、中国人の私にはそれが何を意味するか、はっきりと分かる>

台湾有事をめぐる高市早苗首相の「存立危機事態」発言に端を発した日中間の攻防は、エスカレートの一途をたどっている。「中国が反発するとは思っていたが、ここまでの過剰な反応は想像できなかった」と、ある日本人の知り合いは戸惑いながら言った。

しかし、私にはさして驚くべきことではなかった。中国の王毅(ワン・イー)外相は11月23日、日本が「レッドラインを越えた」と非難したが、中国人の私にはそれが何を意味するか、はっきりと分かる。高市首相は「止まれ」のサインが見えなかったようだ。


トランプ米大統領は当初、日中のいさかいから明らかに距離を置いた。「同盟国であっても友人とは言えない。中国以上に貿易でわれわれから利益を得てきた」。彼のこの意味深な発言に落胆した日本人も多かったのではないか。

決して親中ではない韓国も、中国とライバル関係にある地域大国のインドも、長年中国に強硬姿勢を貫いてきたオーストラリアも──日本に援護射撃をした国はほとんどなかった。

では、台湾有事の当事者たる台湾の反応はどうだったか。

台湾総統府の報道官が中国に対し、責任ある大国として行動し、地域のトラブルメーカーにならぬようクギを刺した一方、最大野党の中国国民党からは、台湾びいきの日本人が聞いたら悲しむような発言も飛び出した。

高市首相の集団的自衛権の解釈は誤りである、台湾問題に日本は過度に介入すべきではない......などと高市発言を批判したのは、同党所属で親中派の馬英九(マー・インチウ)元総統だった。台湾側も突然の事態に「戸惑っている」のが本当のところではないだろうか。

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