休暇を取ることは悪ではない、日本人よ、有休を取ろう!

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<2019年は日本で働き方改革がずいぶん話題になったが、いまだに休むことは悪とされるし、制度を利用しない人が大半だという。なぜ?>
はじめまして、石野シャハランです。大学への留学をきっかけに日本に来ました。大学卒業後、日本企業、ヨーロッパ資本企業のメーカーの営業職に就き、17年ほど日本で生活しています。日本で長く暮らして、日本のことがとても好きになり、日本に感謝しています。日本での企業経験を踏まえて、もっといい日本にするコンサルティング事業を始めました。どうぞお見知りおきを!
2019年は日本で働き方改革がずいぶん話題になった。テレワークやフレキシブルワークの制度がある会社は多くなってきたが、利用しない人が大半だと聞いている。なぜ?
私の日本人の友人の1人は制度をフル活用している。今年の夏、彼は午後2時半に保育園児の息子をサマースクールに迎えに行った後、帰宅してテレワークあるいはそのまま帰社し、子連れで仕事をしていた。彼の会社でもこういうワークスタイルを取る人はまれだが、周囲は「彼はこういう人なのだ」と認識している。
素晴らしい。どんなに褒めても褒め切れない。子どもに手がかかるのはたった数年。良い人財(私はあえてこの言葉を使う)はそのくらいさせないと転職してしまう。
私自身、日本で外資系大手メーカーで働いていたときは、フレックスタイムや有給休暇を利用していた。外資系企業の中でも、私が休みを取ることを疑問に思っていた人もいれば、全然気にしない人もいた。気にしない人は自分もフレックスタイムや有休を利用し、仕事もちゃんとしていた。私は彼のことを、彼は私のことを理解し、何の支障も出ることはなかった。
結婚しているかしていないか、子どもがいるかいないかは全く関係ない。お互いが生きる上で、一緒に働く上で、いかに尊重し合うかが一番大事なポイントになる。
私を疑問に思っていた人は、「サラリーマンは給料をもらっているのだから、最低でも年に2000時間は会社のために必死になって働かないと会社に迷惑がかかる、給料泥棒だ」とよく愚痴っていた。365日-120日(日本の大体の休日数)=245日×1日の労働時間8時間=1960時間と計算すると、確かに「2000時間働かないと給料泥棒」説は日本企業の一般常識と外れてはいない。しかし、フレックスタイムや有休制度のある会社に転職したのに、他の人を気にしながら何十年も働くの? それなら制度のない会社に行けば?
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