【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
「私は校則の改正に絶対、反対です!」と叫ぶ教員
「そうですか。校長先生がもし、どうしても炭酸飲料を置きたいのでしたら、私をその仕事の担当から外してください」
吉高教諭の投げやりな発言に私も感情的になった。
「そこまで言いますか。学校の先生はいいですね。気に入らないことがあったら、担当から外れることができるんですか」
ちょっと意地悪な言い方だったかなと思ったが、口から出してしまったものは取り返せない。吉高教諭は気まずそうな顔で何も言わなかった。(71ページより)
校則についても同じだ。無意味な校則が多いことは昔から知られているが、著者も自校の校則を読み直し、気になる点をいくつか発見した。そして、校則の改正を提案する。
「私は校則の改正に絶対、反対です! 校則をゆるめて歯止めが利かなくなったら、どうするんですか!」
「ほかの学校ではうちより校則がゆるいところも多いですよね。もし先生がその学校に異動したら、校則を厳しくするよう働きかけるのですか?」
「......いえ、その学校に行ったら、その学校の校則に従います」
緊張が支配していた職員室にこの日初めて笑い声があがった。(134〜135ページより)
まるで、落語か漫才のようなやりとりだ。校則を変えることについては生徒も期待していなかったようだが、教師がこうでは「どうせダメでしょ」と思ったとしても無理はない。
だが校則は学校の決まりであり、校長が決定することだ。そこで紆余曲折を経たのち、著者は変更を実現する。「やはり何かを変えるためには外圧が必要で、それも外から来た私の使命なのかもしれない」という記述には大いに共感できる。
前髪の長さやくるぶしソックスの是非など、議論があまりに小さいものだったため虚しさも残ったというが、この話は以下のようなエピソードで幕を閉じる。





