中国製造業PMI、2月は2カ月連続で50割れ 民間調査は5年ぶり高水準
2025年4月、江蘇省南通市のタンク工場の生産ラインで働く労働者たち。 REUTERS/cnsphoto
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Joe Cash
[北京 4日 ロイター] - 中国国家統計局が4日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、景況改善・悪化の分岐点となる50を2カ月連続で下回った。輸出拡大への取り組みが需要と投資の弱さを相殺できず、さらなる政策支援の必要性を示唆する内容となった。
PMIは49.0で、1月の49.3から低下し、4カ月ぶりの低水準を記録した。ロイターがまとめた市場予想の中央値(49.1)も下回った。
一方、S&Pグローバルがまとめた2月のレーティングドッグ中国製造業PMIは52.1と、前月の50.3から上昇し、2020年12月以来の高水準となった。需要が堅調で、アナリスト予想の50.2も大きく上回った。新規受注量が9カ月連続で増加し、指数は20年12月以来の高水準。これにより生産は24年6月以来の大きな伸びとなった。
国家統計局と民間の調査の乖離について、キャピタル・エコノミクスの中国エコノミスト、黄子俊氏は「産業情勢を測るには、双方の平均を取るのが合理的だ。この基準に基づくと、総合指数は49.8から5カ月ぶりの高水準となる50.5に上昇した」と述べた。
国家統計局の調査が国有企業や中大型企業中心であるのに対し、民間調査は上海近郊や南西部の輸出企業を多く含む。民間調査の方が外需に敏感だとされる。
実際、国家統計局の新規輸出受注指数は45.0と10カ月ぶりの低水準だったが、民間調査では20年9月以来の速いペースで新規輸出受注が伸びている。
国家統計局が発表したサービス業と建設業を含む非製造業PMIは49.5と、2カ月連続で50を割り込んだ。1月は49.4だった。民間調査によるサービス業指数は過去33カ月で最も速いペースで上昇した。
国家統計局が発表した製造業と非製造業を合わせた総合PMIは49.5で、1月の49.8から低下した。
<イラン紛争は中国経済に新たなリスク>
中国の輸出部門は、米国の関税攻撃を乗り切り、2025年には過去最高の1兆2000億ドルの貿易黒字を達成した。しかし今、米国とイスラエルによる対イラン軍事攻撃をきっかけとする中東紛争激化という逆風に直面している。中東の重要な貿易ルートであるホルムズ海峡の閉鎖は、中国が支配する世界のサプライチェーンに混乱をもたらす恐れがある。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の徐天辰シニアエコノミストは「中東の戦争とホルムズ海峡封鎖が3─4カ月、あるいはそれ以上続いた場合、中国を含む全ての国にとって悪夢となるだろう」と指摘。「コンテナ輸送に混乱が生じ、輸送費が高額になる事例がすでに複数見受けられる」と述べた。
ピンポイント・アセット・マネジメントの張智威チーフエコノミストは「中東戦争は少なくとも3月中は中国を含む世界経済に重しとなるだろう」と指摘。「今後数カ月で景気がさらに減速すれば、政府は投資を緩やかに増やして圧力を緩和させるだろう」と述べた。
5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)での政策方針に注目が集まっている。
<新たな景気刺激策>
今回の調査は春節(旧正月)の連休に伴う工場の稼働停止を反映するよう季節調整されている。今年は過去最長の9連休だったが、エコノミストによると、季節調整モデルは不完全で、大規模な操業停止がなお結果をゆがめている可能性がある。
中国当局は2025年の成長目標が達成可能との見方から、第4・四半期に新たな景気刺激策を見送った。ただエコノミストらは、追加の政策支援がなければ26年第1・四半期の成長は限定的になるとみている。
李強首相は5日に開幕する全人代で、26年の成長目標を発表する見通しだ。ロイターが1月に実施したエコノミスト調査では、26年の成長率は4.5%に鈍化し、27年も同水準が続くと予想されている。
中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局は先週の会議で、より積極的かつ効果的な経済政策を打ち出す方針を表明し、雇用の安定化と内需拡大に向けた取り組みを強調した。
INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「製造業PMIデータはまちまちだが、底堅い外需が引き続き成長を牽引するという2025年と同様の軌道を示唆している」と指摘。「国内需要は予想外に弱い」とし、新たな政策支援がなければ低迷が続く可能性が高いと述べた。
レーティングドッグの創業者、姚イク氏は、製造業PMIは短期的には緩やかな拡大傾向を維持すると予想されると指摘。「今後この勢いが持続するかどうかは、需要が持続するか、そして信頼感がより積極的な雇用と投資につながるかどうかによって決まるだろう」と述べた。
S&Pの調査によると、中国の製造業者は将来の生産についてより楽観的となっており、全体的なセンチメントはこの11カ月間で最高となった。
春節に伴い受注残は増加したものの、製造業者は人材採用に慎重なまま。雇用は2カ月連続でわずかな増加にとどまったが、連続で増加したのは21年半ば以来初めて。
投入物価上昇率は22年6月以来の高水準。これにより製造業者は2カ月連続で産出価格を引き上げ、販売価格上昇率は15カ月ぶりの高水準となった。





