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ドローン攻撃の目的は突破口を開くことではない...ドローン攻撃を続けるロシアの真の目的とは?

SWARM UND DRANG

2025年10月2日(木)11時30分
ヤシル・アタラン(戦略国際問題研究所〔CSIS〕研究員)

数の力は大きい。精度が変わらなくても何百機ものドローンを発射すれば、防空網を突破する機体も増える。実際には数も精度も上がっているため、防空網を突破する割合は戦争の初期より格段に高まっている。

この作戦はソ連時代から続く軍事思想にも沿っている。かつての戦略家たちは、センサー技術や無人システム、精密兵器の進歩によって戦場は分散化し、従来の密集型戦争に代わって「非接触型戦争」が主流になると予測していた。


シャヘドは、まさにその例だ。ロシアは遠隔地からシャヘドを送り込み、敵の防空網を圧倒し、決定的な地上戦に頼らなくても着実な打撃を与えている。しかも、この消耗戦を非常に安く展開できる。

夜ごとドローンの大群を飛ばすことで、ロシアは最新版の非接触型戦争をつくり上げた。これらのドローンの目的は、戦術的な突破口を開くことではない。ウクライナをじわじわと消耗させ、支援国に代償を払わせることだ。

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※本記事(前・後半)は2025年10月7日号「二刀流の奇跡」特集掲載記事です。

<記事前半:ドローンが戦争の常識を覆す...ウクライナ戦争に見る「非接触型戦争」の最前線とその実態

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