最新記事
日本政治

自民党総裁選「政策継承」が争点に...小泉氏は持論を封印し「現実路線」へ

2025年9月24日(水)13時16分

今回の主要政策として掲げる「2030年度までの平均賃金100万円増」も「医療、介護など公定価格分野の処遇改善」も「官公需における価格転嫁の徹底」も、こうした基本方針を踏襲している。訪日旅行者を6000万人に増やす目標も、石破首相がすでに今年3月に達成に向けた計画策定を指示している。

前出の関係者は「衆参ともに少数与党となる中で、実際に政権運営をするときのことを考えなければいけない。言いっぱなしは通用しないというのが側近の間での共有認識だった」と明かす。陣営の衆院議員は「どの野党とも組めるアプローチだ」と語る。小泉氏自身も「実現できないような政策を打ち出せない」と割り切っているという。


 

一方で、数少ない「独自色」もある。その一つが外国人問題に関する「アクションプラン」の策定だ。不法滞在など違法行為の防止、医療保険制度などの不適切利用、不動産取得などの透明化のため年内にまとめるという。

また、「デフレ時代の縮み志向の経済運営から、インフレ時代の新たな経済運営へ」と掲げた点も一歩踏み込んだ。陣営の参院議員は「円安、物価高対策で消費者の視点が足りなかった反省がある」と説明。政府がデフレ脱却を宣言していない中であえて「インフレ時代」に踏み込んだことについて、前出の関係者は「小泉氏のメッセージが込められている」と解説する。新総裁に選ばれれば、よりインフレを意識した舵取りになる可能性がある。

ただ、小泉氏や林氏のこうした政策がどこまで支持を得られるかは不透明な部分もある。国会議員や党員・党友の中で「変化」を強く求める声が広がれば、既存政策の継承自体がマイナスと捉えられかねないからだ。ライバルと目される高市早苗前経済安全保障担当相が「赤字国債」の発行を容認するなど積極財政の姿勢を鮮明にする中、政策の妥当性をどこまでアピールできるかが問われることになる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、米との経済協力分野選定 ウクライナ戦争後見

ワールド

NATO国防相会議、米長官は欠席 事務総長は防衛投

ワールド

トランプ氏がイランとの合意へ条件整備と期待=イスラ

ワールド

トランプ関税、「ほぼ全額」を米国民が負担 NY連銀
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    エプスタイン疑惑の深層に横たわる2つの問題
  • 10
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中