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「タイ政界の新局面」 アヌティン新首相誕生――タクシンの雲隠れで政治は変わるのか?【note限定公開記事】

Thailand’s Parliament Elects Anutin Charnvirakul as Next Prime Minister

2025年9月8日(月)17時05分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)
新首相に選出された国民党のアヌティン

新首相に選出されたアヌティンは国民党との約束を守るのか WISSARUT WEERASOPON―ZUMA―REUTERS

<ペートンタン前首相の失職からわずか1週間、保守派のアヌティン氏が新首相に選ばれた。後任をめぐる駆け引きで膠着していた政局は動き出したが、その先に待つ展開は読めない>


▼目次
1.アヌティン首相誕生とタクシンの退場
2.不透明な未来と揺れる民主主義

1.アヌティン首相誕生とタクシンの退場

タイ下院はペートンタン前首相の失職から1週間後の9月5日、アヌティン元副首相を第32代首相に選出した。

保守派「タイ誇り党」の党首であるアヌティンは首相指名選挙で311票を獲得。当選に必要な247票を上回った。

これまで連立政権を率いてきた「タイ貢献党」は、チャイカセム元検事総長を擁立したが、わずか152票しか得られなかった。

アヌティンの首相選出は、最大野党・国民党の支持が決め手となった。

これで8月29日に憲法裁判所がペートンタンの解職を命じてから続いていた政治的膠着状態に終止符が打たれることになった。

タクシン元首相の次女である39歳のペートンタンは、カンボジアの実力者フン・セン元首相との6月の電話会談で重大な倫理違反を犯したと、憲法裁は判断した。

首相の失職後1週間の政治的駆け引きの中で、貢献党と誇り党は進歩派の野党・国民党の支持を争った。

国民党は解散した前進党の後継政党で、下院492議席中143議席を保持する第1党だ。

同党のナタポン党首は軍が定めた2017年憲法の改正(または新憲法の制定)と、26年初頭の総選挙実施に道を開く4カ月以内の議会解散に同意するなら、どの党の首相候補も支持すると明言。

同時に国民党は野党の立場を維持すると表明した。

貢献党と誇り党はどちらもナタポンの提示した条件を受け入れたが、国民党は9月3日、同党の進歩的政治思想と懸け離れた保守的な立場のアヌティン支持を発表した。

貢献党の敗北は、選挙に強いとされてきた同党の勢力後退を示す兆候だ。

それを裏付けるように、同党の事実上の指導者であるタクシンは4日夜、健康診断のためと称して急きょ出国、ドバイへ向かった。

2.不透明な未来と揺れる民主主義

当面の膠着状態は解消されたものの、タイ政界の先行きは依然として曇り空だ。嵐になる可能性も否定できない。

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【note限定公開記事】「タイ政界の新局面」 アヌティン新首相誕生――タクシンの雲隠れで政治は変わるのか?


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