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ウクライナ情勢

ウクライナを守るのは「誰」か?――揺らぐ安全保障と「安心部隊」の実態とは

Security Delusions

2025年9月2日(火)17時15分
クリスチャン・カリル(元本誌米国版モスクワ支局長)

だから彼らは、ワシントンでのトランプとの首脳会談を巧みに利用して、アメリカがウクライナ不在の場でプーチンと停戦の条件に合意してしまう可能性をつぶした。

そしてトランプがいずれ、のらりくらりと話をごまかすプーチンにキレることに賭けている(なにしろプーチンは、ゼレンスキーとの直接会談をなんとか避けようとしてきたし、ウクライナの民間人に対する攻撃を執拗に続けている)。


従って当面の最善策は、プーチンに圧力をかけ続けることだと、ヨーロッパ諸国は理解している。

具体的には、もっと高度な兵器をもっと大量にウクライナに供給し(またウクライナ自身が製造できるようにし)、財政面と経済面の支援を継続し、ロシア(とロシア産石油を購入する国)に対する制裁を一段と強化することだ。

欧米の銀行で凍結されているロシアの資産約3000億ドル相当を差し押さえて、ウクライナに引き渡せば、ロシアに対して正しいサインを送れるだろう。

そしてウクライナの安全を保証することに対するヨーロッパの決意を、プーチンに知らしめることができるだろう。

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