ウクライナを守るのは「誰」か?――揺らぐ安全保障と「安心部隊」の実態とは
Security Delusions
「ロシアが安全の保証を語るとき、誰がロシアを脅かしているというのか、私にはまるで理解できない」と、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8月22日、首都キーウを訪れたマルク・ルッテNATO事務総長に語った。
まさにそのとおりだ。「ロシアがウクライナを攻撃してきたのだ。その当事者が、どんな保証を必要としているのか」
だが、アメリカはそこのところをきちんと理解しているだろうか。
ヨーロッパ首脳の賭け
トランプは8月19日のインタビューで、ウクライナがロシアの侵略に対して自国を守る戦いをしていることを非難しているかのような発言を(またも)した。
「そもそも始めるべきではなかった戦争だ。自国より10倍も大きな国と戦うなんてむちゃだ」
西側諸国の有志連合は、侵略者と侵略された国を区別できない同盟国と、信頼に足る抑止力を生み出せるのか。
ウクライナに安全の保証を提供するというアイデアそのものが、荒唐無稽だ。そしてヨーロッパ諸国は、それに気付いているように見える。





