トランプが計画する、南コーカサスの「トランプ・ブリッジ」とは? ロシアやイランは戦々恐々
How 'Trump Bridge' May Soon Reshape Warzone Bordering Russia, Iran, Turkey
アゼルバイジャンとアルメニア両国に利がある提案ではあるが
ママドフは、この和平合意によってアルメニアとアゼルバイジャン双方が得られる「いくつかの利点」を挙げた。
「第1に、ロシアやイランが提示する和平案(後述)への対抗手段となり、パートナーシップを多角化できる。第2に、『トランプ・ブリッジ』は単なる交通回廊ではなく、『中間回廊』を通じて南コーカサスを世界的な貿易ルートに結びつける、広域連結構想の一部と見なすこともできる。これにより、アゼルバイジャンとアルメニアの相互不信を和らげ、政治的にもこのプロジェクトは受け入れやすくなるだろう」
国際危機グループ(ICG)のジョシュア・クチェラ上級アナリストは、南コーカサスにおけるトランプの取り組みについて、「ウクライナやガザでの和平仲介が思うように進まない中で、トランプ政権が手軽な成功を狙っていることは明らかだ」と述べた。
しかし、クチェラはアゼルバイジャンとアルメニアの和平合意の実行について、長年論争の的となってきた交通回廊の実現方法も含め、依然として疑問が残ると語る。
「(和平合意の中で)最も画期的なのはTRIPPだ。しかし、重要な部分も含め、未だ詳細が不透明だ」とクチェラは指摘した。
「アゼルバイジャンは本土とナヒチェバンを、アルメニアが干渉できない形で交通回廊を作ることを求めている。一方、アルメニアも、北部と南部を結ぶ最短経路としてナヒチェバンを通行できるよう望んでいる」