なぜバンクーバーは「食の都」と呼ばれるのか? カリフォルニアロール発祥の地を訪ねて【note限定公開記事】
Taste the World

レストラン「ファイブ・セイルズ」で提供されたボタンエビのグリル焼き。「海からテーブルへ」という哲学を体現した、洗練の一皿 JENNIFER H. CUNNINGHAM FORNEWSWEEK
<海と山に抱かれた自然豊かな都市・カナダのバンクーバー。多様な文化が交差するこの街では、革新的な料理が次々と生まれている>
カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるバンクーバーは、ノースショア山脈と太平洋に挟まれた位置にあり、絶景の自然とアウトドアで知られている。
さらに人口約70万の緑豊かなこの都市は、海の近さと独自のテロワール(風土や気候)、ブドウ栽培の伝統、地元産の旬の食材にこだわるシェフたちのおかげで、食通の楽園としても名高い。
しかし、レストラン「ファイブ・セイルズ」のエグゼクティブシェフで今年のカナダ料理チャンピオンシップで優勝したアレックス・キムによると、それはあくまで1つの側面にすぎない。
「バンクーバーの食文化の特徴は多文化とイノベーション」だと、キムは本誌に語る。
「ここは(民族・文化の)真のるつぼ。シェフたちは世界の料理、特にアジアとヨーロッパの影響を融合させ、大地と海から取れる地元産の旬の食材と組み合わせている」
韓国のソウルで育ったキムは、食を家庭や地域社会の中心に置く文化的伝統にどっぷりつかっていたと語る。幼い頃の最初の記憶は、ソウルの活気ある市場と、丁寧に食事の準備をしてお客を盛大にもてなす家族や親戚の姿だ。
その経験を仕事に取り入れたキムは、創造的かつ「個人的な」料理を作り、食材でも調理の方法でも冒険を恐れるなとスタッフに指導している。
「ファイブ・セイルズでは、多様な(文化的)背景を生かして、革新的で個人的色彩の強い料理を作り出している。発酵、漬物、大胆な風味のような韓国的な要素をこの地域の料理に取り入れるのが大好きなんだ」
世界的な食のトレンドに最も貢献したバンクーバー発の料理は、日本人シェフ東條英員(とうじょう ひでかず)が1970年代に考案したカリフォルニアロール(カニ、アボカド、キュウリを使う巻き寿司)とBCロール(サーモンの皮、アボカド、キュウリを使う)かもしれない。
東條は今もフェアビュー地区にある自分の店で、この2つを「おまかせ」スタイルで提供している。
さらにジャパドッグ(刻みノリやテリヤキソースなどの日本風味を加えたホットドッグ)や、セラーノペッパー入り押し寿司、バターチキンピザもバンクーバー発祥だ。
持続可能性にこだわる
多くのレストランは「海からテーブルへ」という料理の哲学を実践している。旬の食材を漁業者から直接仕入れ、持続可能な方法で生産・入手した食材で料理を客に提供するという意味だ。
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【note限定公開記事】なぜバンクーバーは「食の都」と呼ばれるのか? カリフォルニアロール発祥の地を訪ねて
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