ビングループのEVタクシー部門が海外上場計画、企業価値200億ドルか
ベトナム複合企業ビングループは29日、電気自動車(EV)タクシー事業を手がける傘下のグリーン・スマート・モビリティー(GSM)が海外上場を計画していると明らかにした。ハノイで2024年4月撮影(2025年 ロイター/Francesco Guarascio)
Yantoultra Ngui Phuong Nguyen
[シンガポール/ハノイ 29日 ロイター] - ベトナム複合企業ビングループは29日、電気自動車(EV)タクシー事業を手がける傘下のグリーン・スマート・モビリティー(GSM)が海外上場を計画していると明らかにした。アドバイザーの見立てでは企業価値は約200億ドルに達するという。
事情に詳しい関係者の話ではGSMは2027年までに香港への上場を目指している。実現すれば、香港におけるベトナム企業初の新規株式公開(IPO)となる。またビングループでは、23年にナスダックへ上場したビンファストに次ぐ2社目の海外上場となる。
GSMは23年設立のベトナム最大のEVタクシー事業者。ビンファストから独占的に車の供給を受けている。ラオス、インドネシア、フィリピンにも事業を拡大しており、インド進出も検討中だ。
ビングループは「(GSMの)企業価値は200億ドル前後だというアドバイザーの見解がある」と述べた上で、最終的な価値は上場のタイミングや上場時の市場環境に左右されると付け加えた。GSMの具体的な上場先や上場時期は明確にしなかったが、来年中の上場はないと認めた。
実際の上場時にGSMが200億ドル前後と評価されれば、ナスダック銘柄で時価総額約210億ドルの東南アジアの配車サービス大手グラブに匹敵する規模になる。
GSMとビンファストはそれぞれ協力関係の恩恵を受けている。ビンファストはベトナム国内の販売が下支えされ、GSMは第三者からの車調達なしで運営規模の拡大ができるからだ。
インドの調査会社のデータによると、ベトナム国内の配車サービス市場で、今年第1・四半期のGSMのシェアは約40%、グラブは32%だった。ただ別の調査では、グラブが55%、GSMは35%となっている。
ビングループはGSMの詳細な財務情報を開示していない。それでもGSMが強力な勢いを示し続け、市場を主導する地位を強固にし続けていると説明した。





