最新記事
空港

「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...アメリカ空港の「無意味な儀式」がついに撤廃へ

No More No Shoe Rule

2025年8月7日(木)18時58分
ヘンリー・グラバー(スレート誌記者)

入国者の身柄拘束は増加

国土安全保障省は11年の時点で、高性能の靴スキャン装置の開発が進んでおり、将来的に保安検査場で靴を脱ぐ必要はなくなると公言していた。

そして今年1月、同省は運輸保安局(TSA)と共同で靴スキャン装置のデモンストレーションを行い、26年までに空港への配備を行うと発表した。履いたままの靴をものの数秒でスキャンできるという。


だが7月8日、同省のクリスティ・ノーム長官は、最新鋭の靴スキャン装置の導入を待たずして靴脱ぎ検査ルールの撤廃を発表した。理由について長官は「幾重にも積み重ねられた」保安対策のおかげだと述べた。

靴脱ぎ検査の終わりは、1つの時代の終わりでもある。靴脱ぎ検査は01年のTSA創設を含む9.11以降の航空機のセキュリティー強化政策の一環であり、「今後も強化される一方の保安対策」を象徴する存在だった。

TSAが強いている無意味で時間のかかる保安対策は、靴脱ぎ検査以外にもいろいろある。

やや大げさだが、靴脱ぎ検査の終わりの向こうに光が見えた、と言ってもいいだろう。恐怖に支配されているアメリカ政界にも、既存の保安規則(いかにばかばかしいものであれ)を撤廃するという「リスク」を冒す余地が残っていたということだからだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

企業のAI導入、「雇用鈍化につながる可能性」=FR

ビジネス

ミランFRB理事、0.50%利下げ改めて主張 12

ワールド

米航空各社、減便にらみ対応 政府閉鎖長期化で業界に

ビジネス

米FRBの独立性、世界経済にとって極めて重要=NY
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中