最新記事
参議院選挙

トランプに先手を取られ、新興政党には後れを取った──石破政権を待つ「過酷な運命」とは?

Checkmate

2025年7月29日(火)18時13分
北島 純(社会構想⼤学院⼤学教授)

投票前に合意していれば

若年現役世代へ配慮した改革姿勢が十分であるとは受け止められなかったのは、石破政権がSNS選挙戦略に真剣に取り組まなかったことも原因だろう。日本の政治社会が「右」に、かつ選挙戦がSNSにシフトしている地殻変動を石破政権はキャッチアップできなかった。

ところが石破首相は21日の記者会見で続投を表明した。「米国の関税措置など国難とも言うべき厳しい状況で最も大切なことは国政に停滞を招かないことだ」と理由を述べ「赤心報国」の思いで比較第1党としての責任を果たしていくと言明。森山裕幹事長ら執行部の続投も決めた。


昨年10月の総選挙と今年6月の都議選に続いて3回目となる大型選挙敗北にもかかわらず続投を宣言したことに驚きが走り、特に自民党内では石破首相自身が、2007年の参院選で大敗した安倍晋三首相や09年の都議選で敗北した麻生太郎首相に退陣を迫っていた過去があることから、言行不一致で続投を許さないという反発が沸き起こった。

毎日新聞と読売新聞が「退陣へ」と報じ、辞任は不可避の情勢と思われたが、23日に党本部で開かれた麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相との会談後、石破首相は退陣報道を完全否定した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独極右政党AfD、トランプ米政権との関係強化

ビジネス

ノボノルディスクとファイザー、米メッツェラ巡り買収

ワールド

7&IHD、複数のM&A・連携含めた取り組み進めて

ワールド

APECサミットが開幕、韓国大統領「共通の繁栄へ協
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中