最新記事
米中首脳会談

韓国で行われた米中首脳会談、具体的な合意内容は?

2025年10月31日(金)10時00分
トランプと習近平

10月30日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は韓国・釜山で首脳会談を開き、両国間の貿易対立を緩和する措置を講じることで合意した。釜山で撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は30日に韓国・釜山で首脳会談を開き、両国間の貿易対立を緩和する措置を講じることで合意した。米国が中国からの輸入品に対する関税の引き下げと輸出規制を和らげるのと引き換えに、中国はレアアース(希土類)鉱物と磁石の新たな規制を一時停止し、米国産大豆の購入を再開する。

この合意によってトランプ氏が中国からの輸入品に課すとしていた100%の関税は見送られ、世界の2大経済大国間の微妙な貿易紛争の休戦が約1年間延長されることになった。

合意した主な内容は以下の通り。

フェンタニル原料の関税を半減

米国は、麻薬鎮痛剤「オピオイド」の一種であるフェンタニルの原料となる化学物質の中国からの輸入関税を現行の20%から10%へ半減する。トランプ米政権の当局者によると、これで関税率は計約57%から計約47%へ引き下げられる。

この関税率には、トランプ氏が1期目に中国からの輸入品に課した約25%の関税、今年4月に導入した「報復的」関税を半減した10%、および従来からの「最恵国待遇」関税率が含まれる。

計約47%の関税率は、トランプ氏が懲罰的関税を課したインドとブラジルからの輸入品に適用している50%を下回る。

米国が最大の輸入相手国とするカナダは、北米3カ国で結んでいる自由貿易協定(FTA)の「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)に準拠しない製品を米国に輸出する場合に35%の関税を課される可能性がある。これは東部オンタリオ州の広告にトランプ氏が激怒し、カナダからの輸入品に10%の関税を上乗せすると脅したのを実行に移した場合だ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 8
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 9
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中