最新記事
労働

韓国の高齢者就業率OECD加盟国で最高の38.2% 喜んでいられない「働かざるを得ない」現実とは

2025年7月24日(木)15時40分
佐々木和義
ソウルの駐車場で働く高齢者

ソウルの駐車場で働く高齢者(撮影=筆者)

<急速な少子高齢化が進む韓国で、世代間の雇用ミスマッチが深刻化>

韓国国会予算政策処が5月27日に公表した報告書によると、2024年の韓国の65歳以上の就業率は38.2%で、経済協力開発機構(OECD)加盟38か国中で最も高かった。OECDの平均13.6%の2.8倍に達しており、高齢化率が最も高い日本の25.3%をはるかに上回る。

65歳以上の賃金労働者の61.2%が非正規職で、49.4%が10人未満の零細企業に勤務する。職種は単純労働が35.4%で、機械操作や組立に従事する人が15%。また過去の経歴とは関係ない職種に従事する者が多数を占めている。個人タクシーや宅配運送に従事する個人事業者も少なくない。

高齢者貧困率40.4%でOECD最悪

65歳以上の就業者が多い理由の一つは年金だ。定年を間近に控えた50代後半の勤労者の月平均賃金約351万ウォン(約37万5,000円)、再雇用が多い60代前半の平均賃金約279万ウォン(約29万8,000円)に対し、年金所得者の月平均所得は74万~87万ウォン(約7万9,000〜9万3,000円)。単身世帯の最低生活費134万ウォン(約14万3,000円)をはるかに下回る。

実際、高齢者の貧困は深刻で、OECDが公表した「一目で見る年金2023」による66歳以上の高齢者貧困率は韓国が40.4%で最も高く、米国22.8%、日本20.0%のおよそ2倍の水準だ。保健福祉部の分析でも2020年時点で65歳以上の単身者の年平均所得は436万ウォン(約46万6,000円)しかない。青年層の2433万ウォン(約260万4,000円)や中高年の2241万ウォン(約239万9,000円)と比べて5分の1以下にとどまっており、一人暮らし高齢者の貧困率は70.3%に達している。

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ブラックストーン最大のHF事業、昨年リターンは12

ワールド

ローマ教皇、世界の反ユダヤ主義収束訴え ホロコース

ビジネス

現代自、第4四半期は営業利益40%減 米関税が打撃

ビジネス

再送トヨタの25年世界販売、6年連続の首位 北米好
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 5
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 6
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    またTACOった...トランプのグリーンランド武力併合案…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中