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飛行機に乗るのが怖い? 墜落事故後に広がる恐怖症「暴露療法が唯一の解決策」(インド)

2025年6月29日(日)16時08分
インド 飛行機恐怖症のセラピー施設「コクピット・ビスタ」

6月25日、インド南部ベンガルールで飛行機恐怖症のセラピー施設「コクピット・ビスタ」センターを運営する空軍退役将校のディネシュ・Kさん(写真)は西部アーメダバードで起きたエア・インディア機墜落事故後、急に忙しくなった。ベンガルールのコクピット・ビスタで23日撮影(2025年 ロイター/Meghana Sastry)

インド南部ベンガルールで飛行機恐怖症のセラピー施設「コクピット・ビスタ」センターを運営する空軍退役将校のディネシュ・Kさん(55)は、12日に西部アーメダバードで起きたエア・インディア機墜落事故後、急に忙しくなった。

フライトシミュレーターとカウンセリングを組み合わせた料金500ドル(約7万3000円)のセラピーコースを提供するインド唯一のこの施設は、墜落事故発生前まで毎月10件前後だった問い合わせが一気に100件以上に増えている。

ディネシュさんは「飛行機恐怖症は飛行中の出来事、つまり音や振動などに関係している傾向があり、エクスポージャー・セラピー(暴露療法)がただ1つの解決策だ」とロイターに語った。

施設はボーイング機とセスナ機のシミュレーターを備え、患者がコクピットの視点で飛行機の離着陸を体験し、飛行中の全ての振動や音が危険信号を発しているのではないと理解できる。

ディネシュさんがワッツアップ経由で受け取ったメッセージをロイターが見せてもらったところでは、墜落事故後に「自信を失った」と訴える声や、事故の惨禍に対するショックが大過ぎるといった相談が寄せられていた。

260人が犠牲になったエア・インディアのボーイング787-8「ドリームライナー」が墜落するまでわずか1分足らずの様子を記録した恐ろしい映像は、ソーシャルメディアやテレビ番組を通じて幅広く共有され、異例なほど多くの人がカウンセリングを申し込む事態につながった、と航空やメンタルヘルスの専門家は説明した。

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