イランが北朝鮮の後を追う? イスラエルやアメリカによる攻撃がイランの核開発を加速させるかも
Iran Lawmakers Eye Page From North Korea Nuclear Playbook After US Strikes
NPT脱退を促す動き
パレスチナのハマスによる2023年10月7日のイスラエル奇襲攻撃をきっかけに、イランとイスラエルの対立が深まる中、レザイはこれまでも何度かイランのNPT脱退を促してきた。
イスラエルがイランの軍隊と核開発プログラムに関連する施設と人員を標的に、現在も続いている一連の攻撃を開始した後も、彼はNPT脱退の呼びかけを繰り返した。
NPTは第10条で条約からの脱退などについて定めており、具体的には、「各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する」としている。
脱退する場合は、「条約の他のすべての締約国および国連安全保障理事会に対し、3カ月前に脱退を通告しなければならない。その通知には、自国の至高の利益を危うくしていると認める異常な事態についても記載しなければならない」とも定めている。
イラン外務省の報道官はイスラエルからの攻撃を受けて16日、NPTに留まるかどうかについて、「イラン政府が『適切な決定を下す』だろう」と述べるとともに、関連法案が議会で準備中だと語った。
その一方で報道官は、核兵器開発に反対するというイランの立場に変わりはないと強調した。
イスラエルは、イランがすでに最大で15発の核兵器を製造可能な核物質を保有していると主張しているが、イランは否定している。18年にトランプ第1次政権下のアメリカが、イランと欧米など6カ国による核合意から離脱して以来、イランは核濃縮を進めてきた。
今年3月、アメリカのタルシー・ギャバード国家情報長官は、イランは核兵器開発を積極的には進めていないとする米情報機関の分析を公表した。だが、トランプはこの評価は「間違っている」と繰り返して述べ、アメリカとイランが核協議を進めるなかで起きた今回のイスラエルの軍事作戦を擁護。そしてイランの主要な核施設3カ所(イスファハン、フォルドゥ、ナタンズ)への攻撃を米軍に命じる準備を進めた。