「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディズニー・ワールドで1日遊ぶための費用が「高すぎる」と話題に
Has Disney World Become Too Expensive?
さらにグルソイ氏は、こうした価格上昇の心理的な影響には「参照価格」の効果が大きく関与していると説明する。これは、来園者が現在の価格を過去の記憶と比較することで、急激な値上げが「納得できないもの」に感じられ、結果としてSNS上の反発を招く要因になっているという。
ディズニーは現在、競争の激化にも直面している。グルソイ氏は、ユニバーサル・オーランド・リゾートに2025年5月に開業予定の新パーク「エピック・ユニバース(Epic Universe)」に言及し、主要フランチャイズに基づいた新アトラクション、競争力のある価格設定、積極的な割引施策が展開されると述べた。
「エピック・ユニバース」の1日チケットは139ドルからで、ピーク時には199ドルまで上がる見込みで、価格帯はディズニーとほぼ同等だ。
「シーワールド・オーランド(SeaWorld Orlando)もまた、割引率の高いチケットやパッケージ商品で、価格に敏感な旅行者を狙っている」とグルソイ氏は続けた。「これらの競合が高い顧客満足を実現すれば、経済状況が厳しい中で、ディズニーは価格戦略に制限を受ける可能性がある」
さらに同氏は、コストの上昇によって低所得層の家族が来園しづらくなり、パーク内における経済的な分断が進むリスクにも警鐘を鳴らしている。
「チケット価格の上昇や、列をスキップするサービスといった利便性に追加料金が必要になることで、こうした層(低所得家庭など)はますます排除されている。結果的に滞在期間を短くしたり、ディズニー直営施設に泊まらず、場合によっては来園自体をあきらめるケースもある」とグルソイ氏は述べる。
「この傾向は、セントラル・フロリダ全体の観光経済に再編の影響を及ぼしかねない」