最新記事
中露関係

中露蜜月どこが? 中国の「極東併合」を恐れるロシア内部文書

Maps Show Russian Territory China Could Annex Amid FSB 'Suspicion'

2025年6月11日(水)17時33分
イザベル・バン・ブルーゲン、ジョン・フェン
極東中露国境マップ

4200キロの国境を接する中国とロシアは実は一触即発。とくに19世紀に清がロシアに割譲した要衝をめぐる疑心暗鬼は深まるばかり Source: OpenStreetMap, Central Intelligence Agency/Newsweek

<「ウラジオストクは中国のもの」――領土への執念では互いに引けを取らない両国が長い国境を接し、水面下では根深い不信感と敵意を募らせている>

ロシアは中国がウラジオストクを含む極東地域の一部をはじめとするロシア領土を併合する可能性を警戒している――米ニューヨーク・タイムズ紙がこのように報じた。

【マップ】19世紀に清が帝政ロシアに割譲した領土

同紙が入手したロシア連邦保安局(FSB)の全8ページの内部文書によれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、表向きは中国の習近平国家主席との友好関係を強調しているものの、内心では中国がロシアの領土を「不当に奪おうしている」と懸念しているという。

在米中国大使館の劉鵬宇報道官は本誌の取材に対して「中ロ関係については、近年は双方の努力によって安定的で健全かつ高度な発展の傾向を維持している」と述べた。「長期にわたる善隣友好、友情、相互利益、協力とウィン・ウィンの成果が、両国関係の際立った特徴となっている」

ロシアと中国の同盟関係は変化しつつある。プーチンと習近平は2022年、ロシアがウクライナへの本格侵攻を開始する数週間前に「無制限のパートナーシップ」を宣言して以降、関係を深めている。

ニューヨーク・タイムズは今回流出した文書について、「ロシアの防諜機関が中国についてどう考えているか、その内部事情をこれまでで最も詳しく述べた内容」であり、「表向きは友好関係にあるロシアと中国が、水面下では『緊迫した、変化し続ける』情報戦が繰り広げている」現実を記したものだと報じた。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア軍、ドネツク州要衝ポクロフスクに迫る=ウクラ

ビジネス

オープンAI、IPOを準備 評価額最大1兆ドルも=

ビジネス

アルファベット、投資額引き上げ クラウド・広告好調

ワールド

米政府閉鎖で低所得者向け光熱費支援に支障、各州に資
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 4
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中