中露蜜月どこが? 中国の「極東併合」を恐れるロシア内部文書
Maps Show Russian Territory China Could Annex Amid FSB 'Suspicion'

4200キロの国境を接する中国とロシアは実は一触即発。とくに19世紀に清がロシアに割譲した要衝をめぐる疑心暗鬼は深まるばかり Source: OpenStreetMap, Central Intelligence Agency/Newsweek
<「ウラジオストクは中国のもの」――領土への執念では互いに引けを取らない両国が長い国境を接し、水面下では根深い不信感と敵意を募らせている>
ロシアは中国がウラジオストクを含む極東地域の一部をはじめとするロシア領土を併合する可能性を警戒している――米ニューヨーク・タイムズ紙がこのように報じた。
同紙が入手したロシア連邦保安局(FSB)の全8ページの内部文書によれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、表向きは中国の習近平国家主席との友好関係を強調しているものの、内心では中国がロシアの領土を「不当に奪おうしている」と懸念しているという。
在米中国大使館の劉鵬宇報道官は本誌の取材に対して「中ロ関係については、近年は双方の努力によって安定的で健全かつ高度な発展の傾向を維持している」と述べた。「長期にわたる善隣友好、友情、相互利益、協力とウィン・ウィンの成果が、両国関係の際立った特徴となっている」
ロシアと中国の同盟関係は変化しつつある。プーチンと習近平は2022年、ロシアがウクライナへの本格侵攻を開始する数週間前に「無制限のパートナーシップ」を宣言して以降、関係を深めている。
ニューヨーク・タイムズは今回流出した文書について、「ロシアの防諜機関が中国についてどう考えているか、その内部事情をこれまでで最も詳しく述べた内容」であり、「表向きは友好関係にあるロシアと中国が、水面下では『緊迫した、変化し続ける』情報戦が繰り広げている」現実を記したものだと報じた。