日本に迫る「ゼロパンダ」の未来...中国はもう貸さない?そもそも「パンダは必要?」【アニメで解説】

ニューズウィーク日本版公式YouTubeより
<和歌山・上野のパンダ返還と中国のパンダ外交について解説したアニメーション動画の内容を一部紹介する>
4月下旬に和歌山県の「アドベンチャーワールド」が、飼育中のパンダ4頭を全て6月末に中国に返還すると発表。たちまち全国から多くのパンダファンが同園を訪れた。
今も日本各地でパンダ招致の運動が行われているか、そもそもパンダは本当に必要なのか?──
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「日本に迫る【ゼロパンダ】時代...中国はもうパンダを貸さない?【アニメで解説】」の内容をダイジェスト的に紹介する。
和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」は、これまで計20頭を飼育してきた。しかし、そんな日本一のパンダ動物園も今月末にはパンダ0頭に。
東京・上野動物園も2021年生まれの2頭のパンダ、シャオシャオとレイレイを来年2月に返還すると発表。このままいけば、日本は来年「ゼロパンダ時代」を迎えることになる。
パンダは中国の国宝。以前は食べれば「死刑」と定められていた。一時は絶滅の危機に瀕していたが、精力的な保全活動により、2016年に絶滅危惧種リストから外れている。
そんな国宝を中国政府は1940年代から外交カードとして利用。日本へも1972年から政治的な意図をもって贈与・貸与されてきた。
もちろん、贈与や貸与、契約延長、返還は各国と中国の関係に左右される。
2023年春には、アメリカ・テネシー州のメンフィス動物園に貸与されていたパンダ「YA-YA」が激やせしていると中国のSNSで話題になり、米中外交問題に発展しかけた。
アドベンチャーワールドの突然の返還発表も理由は不明。日中関係が良好とは言えない今、新たな貸与も望み薄だ。
日本と中国の橋渡しとしての役割を果たしてきたパンダも今頃こう思っているかもしれない。「もう嫌だ。遠い国への移動は疲れるし、外国暮らしはストレスがたまる。僕らを見たいと言うのなら、中国に来てもらえばいいじゃないか」
■より詳しい内容については動画をご覧ください。