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ロシアは2年以内にNATO攻撃の再軍備を整える――英シンクタンクが警告

Russia Could Be Ready to Strike NATO in Two Years, New Report Says

2025年5月15日(木)13時30分
エリー・クック、ブレンダン・コール
プーチン

プーチンはもう次のターゲットを見つめている(5月13日、モスクワ) Sputnik/Alexander Kazakov/Pool via REUTERS

<ウクライナとの停戦交渉で世界を煙に巻きながら、プーチンはウクライナの次のターゲットを見据えている。ウクライナに置く必要がなくなったロシア部隊はヨーロッパに向かう>

イギリスの国際戦略研究所(IISS)は5月14日夜に公表した報告書で、「モスクワは早ければ2027年にも、NATO諸国、とりわけバルト3国に対して重大な軍事的脅威を与える可能性がある」と指摘した。

この発表は、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が出席するなら自分も5月15日のイスタンブールでの停戦協議に出席する、としたタイミングと重なる。

プーチンは5月11日、2022年に決裂したイスタンブールでの交渉再開を提案したが、自身が参加するか否かは明らかにしなかった。

同研究所はまた、ロシアがNATOに挑む能力は、アメリカのドナルド・トランプ政権がウクライナ戦争の終結後、本当にNATOからの段階的な撤退を図るかどうかにもかかっていると分析している。

IISSによる厳しい分析は、ウクライナ戦争が終結してもロシアの脅威は続くというNATO各国の懸念と一致する。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月、ロシアの再軍備はウクライナのさらに先を見据えたものだと発言。バルト3国の一角のエストニア首相だったEU外交政策担当のカヤ・カラスも2024年時点で「ロシアが次の戦争を始めるのは時間の問題」と警告していた。

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