中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の火種」が...トランプが見落とす「危機の兆候」

THE LOOMING ALEUTIANS CRISIS

2025年5月14日(水)15時55分
アレックス・アルフィラーズ・シアーズ(軍事アナリスト)

サリバン議員は昨年9月に中ロがこの周辺海域で合同軍事演習を実施した後にも、「7日間で5回にわたり、ロシアの海軍と空軍が、アメリカのADIZやEEZ(排他的経済水域)に侵入した」と指摘した。

これに対抗して、米陸軍は第11空挺師団をアリューシャン列島に配備した。だが、アメリカを取り巻く戦略的環境の危険度が高まるなか、中国の脅威に対抗するにはさらなる措置が不可欠だ。中国はベーリング海やアリューシャン列島などアメリカの支配地域で軍事演習を行うことで、アメリカの威信を傷つけながら自らの決意を表明している。


航行の自由は、アメリカが北極圏で敵対勢力を阻止するという使命を果たす上で極めて重要な条件だ。中国の関心は一見、経済に向けられているように見えるが、地政学的な重要拠点への中国のアクセスは、アメリカや太平洋地域の同盟国にとって安全保障上の重大な意味を持つ。

なかでも、アメリカにとっての戦略的緩衝地帯で軍事活動を強化する中国の試みは、地域の抑止力を損なう。実際、そうした活動はアメリカの国益への直接的な挑戦だ。北極圏および北太平洋地域におけるアメリカの拡大抑止行動を妨げ、ひいては西太平洋や南太平洋にも影響が及ぶ可能性がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅高、地政学的懸念でリスクオフ

ワールド

トランプ氏、日本の対米投資第1号発表 テキサスなど

ビジネス

米国株式市場=小幅高、ハイテクが序盤の安値から回復

ビジネス

FRB、AIの生産性向上効果を精査すべき=SF連銀
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 5
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中