最新記事
ビジネス

高所得国を目指す「新生」カンボジアで、日本の存在感が高まる理由...一方、発展を妨げる課題も

2025年5月16日(金)10時30分
高野智宏
カンボジア経済の潜在力と課題

カンボジアの首都プノンペンにあるセントラル・マーケットには多様な店が軒を連ねる Oliver Raw / SOPA Images/Sipa USA via Reuters

<2050年までにカンボジアを高所得国にすると宣言したフン・マネット新首相。「日本の意見は重視される傾向にある」とされるが、日本企業のさらなる進出を阻害する要因も>

カンボジアが大きく変わろうとしている。2023年8月、1985年以来政権を握り続けてきたフン・セン氏に変わり、息子であるフン・マネット氏(当時45歳)が首相に就任し政権を継承。マネット氏は米陸軍士官学校を卒業し英プリストル大学で経済学博士号を取得した、国際的な視野を持つ文武両道のサラブレッドで、経済にも明るいと評されている。

就任後に出席したアセアンのビジネスフォーラムでの演説では、下位中所得国である母国を2050年までに高所得国にすると宣言。実現のため、国の開発を加速する総合的な国家経済ビジョンを打ち出した。実際、閣僚評議会の試算では今年度の国民ひとりあたりのGDPは昨年の予測値から40%以上上昇し、国の経済成長率も世界銀行が今年はじめに試算した5.5%を上回る、6.3%に達する見込みと発表している。

高所得国を目指すカンボジアがさらなる経済的発展を遂げるためには外資によるFDI(直接投資)の拡大が不可欠であり、またマネット氏には、これまで中国資本に依存していた投資元を各国へ広く分散したい思惑もあると言われる。となれば、PKO(国際連合平和維持活動)やODA(政府開発援助)を通して長らく信頼関係を築いてきた日本は最有力国だ。

カンボジアへの投資に二の足を踏ませる「不正な取引」の存在

高い経済成長は多くの日本企業にとっても魅力的なはずだが、そうした企業に現地への投資に二の足を踏ませる大きな要因もある。それは、市場における「不正」な商品の取引が顕著であること。このせいで、カンボジアでビジネスを行う外国企業が正常な取引を阻害されるケースも発生している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ホワイトハウス、ホルムズ海峡船舶護衛を否定 エネ

ワールド

EXCLUSIVE-イラン攻撃で米兵150人負傷、

ワールド

米軍、イランの地下ミサイル製造施設を攻撃=ホワイト

ワールド

イラン、ホルムズ海峡で機雷敷設の兆候 米情報機関が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 8
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    トランプも無視できない? イランで浮上した「危機管…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中