最新記事
米政治

トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナルゲートは「MAGA哲学」逸脱者を追い出す好機?

Never One to Admit Fault

2025年4月2日(水)14時28分
ジム・ニューウェル(スレート誌政治記者)

ピート・ヘグセス国防長官とJ・D・バンス副大統領

ヘグセス(写真・右)とバンス(奥) ANDREW HARNIK/GETTY IMAGES

アトランティックの報道の直後、ある政権高官は米政治ニュースサイトのポリティコで「複数のグループチャットで、ウォルツの処遇が議論されている」と語った(またチャットだ......)。多くの関係者は、トランプを守るためにウォルツが辞任する必要があると主張しているという。

「参加者を確認しないのは不注意だった。シグナルでチャットを行ったのも不注意だった。国家安全保障担当大統領補佐官に不注意は許されない」というわけだ。


外交政策をめぐる内紛

ウォルツが解任ものの失態をしたのは間違いない。だが、それはヘグセスも同じだ。それなのに、ヘグセスを追及する声は共和党内部で上がっていない。

そもそも第2次トランプ政権は発足以来、やりたい放題の連続だが、償いの証しに身内を犠牲にすべきだとの意見はちらりとも出てこなかった。だが、今回は違う。

ウォルツが辞任を迫られるとしたら、それは多分に政権の外交政策チーム内の権力争いと内輪もめの結果だ。

第2次トランプ政権の外交政策チームは、その政治的駆け引きが興味をそそる。本格的な研究に値するくらいだ。

アメリカの行政府の最上層では今、過去数十年間で初めて、大戦略の見直しが進行している。欧州、中東、太平洋などの各地で優位性を維持することは、もはや事実上の戦略ではない。

アメリカが世界で担う責務から退いて近隣地域に注力することや、欧州の防衛は欧州に任せ、中国への対抗を優先することを望む強力な勢力が存在する。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ムーディーズ、ニデックの格付けA3を格下げ方向で見

ビジネス

当面は米経済など点検、見通し実現していけば利上げ=

ビジネス

金融市場・企業の経済活動への影響含め「高い関心もっ

ワールド

独ミュンヘン空港、ドローン目撃で一時閉鎖 17便欠
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中