最新記事
インタビュー

中台戦争回避に必要なのは? 英研究所の中国専門家が示す、唯一の現実的な選択肢

2025年3月7日(金)11時40分
メレディス・ウルフ・シザー

――中台戦争がアジア太平洋の安全保障に与える影響は。

中国と台湾の衝突は、アジアだけでなく世界全体に深く大きな影を落とすと考えられる。もはや中国は安全保障上の潜在的な脅威ではなく、現実の脅威となるのだから。しかし、戦争中の中国がどのような状況になるのかは、世界にも中国にも分からない。

民主主義体制が攻撃されている以上、アメリカは直接踏み込むことはないにしても、傍観しているわけにはいかない。黙って見ていれば、アジアにおける覇権を中国に譲ることになるし、貿易の要衝である南シナ海が中国の支配下に入るのを許すことになる。そのため、中国と台湾の間で戦争が起きれば、米中が衝突することになるだろう。


ブラウン教授の新著『なぜ台湾が重要か』。中国と台湾の戦争は世界経済にウクライナ戦争の比ではない大混乱をもたらすと指摘

ブラウン教授の新著『なぜ台湾が重要か』。中国と台湾の戦争は世界経済にウクライナ戦争の比ではない大混乱をもたらすと指摘 COURTESY OF ST. MARTIN'S PRESS

――アメリカが台湾の半導体への依存を軽減するためには、どのような措置を取ればいいのか。

アメリカは半導体の供給源の多様化と、製造拠点の国内回帰を試みている。難しいのは、台湾が半導体ビジネスを守るために複雑なサプライチェーンを構築していること、そしてそのパーツが45万にも上ることだ。従って、アメリカが自前で半導体を製造できるようになるまでには、かなり時間がかかるだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB金利据え置き、将来の利下げペースの鈍化示唆

ビジネス

日鉄によるUSスチールの買収完了、米政府が黄金株保

ワールド

イラン、トランプ氏の降伏要求に反発 中東紛争の出口

ワールド

日産2車種「追加調査の必要性なし」 米NHTSA、
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中