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インタビュー

中台戦争回避に必要なのは? 英研究所の中国専門家が示す、唯一の現実的な選択肢

2025年3月7日(金)11時40分
メレディス・ウルフ・シザー

――向こう10年間の中台関係に最大の影響を与える要因は何か。

中国の場合、習近平(シー・チンピン)国家主席の下でナショナリスト的かつポピュリスト的な政治が続く。このため、国際社会における地位向上や、アメリカと対等であることを示す根拠が必要になる。つまり台湾問題の解決は、引き続き中国の優先課題となる。台湾の外交活動はつぶす。台湾の地位を承認しようとする試みにも厳しく対処するだろう。

一方、台湾では、中国本土の人たちが自分たちと違うという意識が強くなる。しかし、過度に独立を主張すれば中国を刺激する恐れがあり、最悪の場合、中国の全面的な侵攻を招きかねないことは、今後も可能性として十分認識される。同時に、中国との再統一を目指す動きもないだろう。このため、台湾は引き続き現状を維持し、経済と生活の質を高めることに意識を集中するだろう。


――中国が台湾を攻撃した場合、世界経済に与える最も直接的な影響は。

中国による台湾攻撃は、軍事的なものであれ、経済封鎖という形であれ、地政学的にも経済的にも世界を一変させる。中国は侵略者と見なされ、アメリカと同盟国は中国との関係断絶を迫られる。そうなれば、世界経済はたちまち大混乱に陥るだろう。製造業のサプライチェーンや金融ネットワーク、そして市場アクセスは甚大な打撃を受ける。先端半導体の供給が滞り、スマートフォンから医療診断機器まで幅広いハイテク機器の製造現場が混乱するだろう。

中国と台湾の戦争が世界経済に与える影響は、ウクライナ戦争のそれとは比較にならない。中国経済はロシア経済よりもはるかに規模が大きく、世界経済に深く統合されている。従って、中台戦争は当事者である中国と台湾だけでなく、地球上の全ての国に影響を与えるだろう。

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