ECB理事ら、インフレ警戒 利上げは慎重に見極め
欧州中央銀行(ECB)の理事らは20日、インフレリスクの高まりを指摘したが、市場が織り込む利上げについては慎重に見極める姿勢を示した。2025年3月撮影(2026年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[フランクフルト 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の理事らは20日、インフレリスクの高まりを指摘したが、市場が織り込む利上げについては慎重に見極める姿勢を示した。
ECBは19日の理事会で政策金利の据え置きを決定したが、中東情勢を受けた原油価格高騰の成長とインフレに対するリスクを注視し、必要に応じて行動を起こす用意があるとした。関係筋からは、ECBが4月の理事会で利上げを巡る協議を開始し、6月の理事会で利上げを決定する可能性があるとの指摘が出ている。
しかし20日の理事の発言は一様に慎重なトーンだった。
フィンランド中銀のレーン総裁は「冷静さを保ち、全体像を見据えなければならない」と述べ、政策当局者は長期的な経済的影響と短期的な変動と切り分ける必要があるとした。
フランス中銀のビルロワドガロー総裁は、ECBは石油・天然ガス価格の変動に対して静観も過剰反応もせず、インフレ率を目標の2%に安定させるために行動する用意があると述べた。ECBのベースライン予測によれば、エネルギー価格の高騰により今年のインフレ率は2.6%に達する可能性があるが、これに過剰反応してはならないと指摘。「われわれはボールから目を離さず、いつでも行動できる構えだ」と金融ニュースサイト「ブルソラマ」のインタビューで語った。
スペイン中銀のエスクリバ総裁は、エネルギー価格の上昇がインフレの推移に与える影響を評価することは依然として困難で、ECBは会合ごとに決定を下すという従来の姿勢を堅持すべきだと述べた。
<市場は6月からの利上げを予想>
金融市場は現在、今年、2回以上の利上げがあり、最初の利上げは6月と予想している。中央銀行は通常、原油価格が急騰しても一時的なものと見なす傾向にあるが、今回は非常に急激な動きで、経済全体に波及してあらゆる物価に影響を与え長期間にわたるのではないかという懸念がある。
ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁はこのリスクを認め、エネルギー価格が早期に正常化しない限り、ECBは介入を余儀なくされる可能性があると述べた。「現状では、中期的なインフレ見通しが悪化し、インフレ期待が持続的に高まる可能性が考えられる。つまり、より引き締め的な金融政策スタンスが必要になるだろう」とブルームバーグに語った。
19日の理事会を受け、金融機関は早期の利上げを予想し始めた。JPモルガン、モルガン・スタンレー、バークレイズはいずれも据え置きから利上げに変更した。バークレイズとJPモルガンは利上げの開始が4月、モルガン・スタンレーは6月とみている。
とはいえ、利上げ予想一色ではない。コメルツ銀行のチーフエコノミスト、ヨルグ・クレーマー氏は「理事会はハト派なメンバーが多数を占めている」と指摘し、「年内に2回も引き上げるという先物市場の予想には依然として納得できない。利上げのハードルは、予想以上に高い」と述べた。





