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中台関係

台湾沖に予告なしで「実弾演習区域」設定...台湾が危惧する中国の「グレーゾーン戦略」とは?

2025年3月4日(火)17時00分
アレクサンドラ・シャープ(フォーリン・ポリシー誌記者)
台湾・馬祖島の近海で演習を行う中国の戦艦

台湾・馬祖島の近海で演習を行う中国の戦艦 THOMAS PETER - REUTERS

<中国による予告なしの「実弾演習区域」設定で台湾海峡の緊張が加速。同区域での「射撃訓練」も中国は外交と無関係と主張するが...>

台湾南部の高雄と屏東の沖合に、中国が「実弾演習区域」を予告なく設定したと、台湾が反発している。

中国外務省によれば、2月26日に問題の海域で中国軍機が活動したのは、外交問題と無関係の「射撃訓練」の一環だ。だが台湾国防部(国防省)の指摘では、演習区域は海上交通路と重なる。高雄と屏東には、空海軍基地もある。


中国は近年、台湾周辺での軍事活動を強化。2月26日にも実施した「戦闘準備パトロール」は、最近では約10日ごとに行われている。

通常、中国が空海軍事演習を行う場合は、同国当局が事前に通告する。だが台湾当局によれば、2月26 日の訓練は予告なしに実施された。

台湾当局は前日、通信用海底ケーブルを切断した疑いで貨物船を拿捕し、中国人乗組員を拘束している。台湾封鎖や占拠を視野に入れたグレーゾーン戦略(平時でも戦時でもない状態での作戦)ではないかと、台湾側は危惧する。

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