「やるなら徹底的に...」DEI削減企業を「正しくボイコット」する方法とは?

Should You Boycott Target Over DEI Cuts? Internet Divided

2025年2月3日(月)10時20分
レイチェル・オコナー

「倫理観と価値観」を基準にすべき

テキサス州オースティンでウェブデザイナーをしているジェン・エイブリー氏(38歳)は、自身のTikTokアカウント(@jen_avery)に動画を投稿し、2023年にターゲットがLGBTQ+プライド関連商品の一部を店頭から撤去した過去に言及した。これは保守派の圧力によるもので、当時もボイコットの動きがあった。

彼女は動画内で「流行だからってボイコットするのはやめて。今この話題が盛り上がっているから関心があるだけで、本当はターゲットにどっぷり依存していて、明日また買い物に行くのを誰にも見られたくないだけでしょ?」と皮肉を込めて語った。

2023年、ターゲットは一部地域でプライド関連商品を店頭から撤去。その理由について、同社は「一部顧客の敵対的な行動が、従業員の安全や精神的な健康に影響を及ぼしたため」と説明していた。

翌年、ターゲットは「過去の販売実績に基づき、一部店舗とオンラインでのみプライド商品の取り扱いを続ける」と発表した。

本誌の取材に対し、エイブリー氏は「消費を控えることで抗議の意思を示さない限り、ターゲットはDEI方針の廃止が正しかったと考え続けるだろう」と指摘。「企業は、財務的な利益にならなければ、どんな取り組みやパートナーシップでも簡単に手放す」とも述べた。

「ボイコットするなら、自分の倫理観や価値観に照らし合わせて考えるべき。資本主義の中で完全に倫理的な消費や経営を貫くのは難しいけれど、それでも何が正しいかを見極めることが大切」と語った。

また、「DEIが本当に効果があったのかという議論もあるし、差別がなくならなかったという意見ももっとも。でも、言葉の持つ力は、時に意図以上に重要だということは、誰もが理解しているはず」と締めくくった。

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