【本誌独占インタビュー】トニー・ブレア英元首相が語る「中東和平への道」

BLAIR ON LEADERSHIP

2024年11月20日(水)16時23分
ナンシー・クーパー(本誌グローバル編集長)、クリストファー・ロバーツ(デジタル出版担当副社長)、バーニー・ヘンダーソン(コンテンツ・ディレクター)

──あなたはロシアのウラジーミル・プーチン大統領にどう対処したのか。欧米は今、どのようなアプローチを取るべきなのか。

個人的には、プーチンは昔と変わったと思う。私が初めて会ったときのプーチンは、とてもオープンで、欧米と関係を築きたがっていた。ロシアでさまざまな国際会談が開かれたのも、ヨーロッパに開かれたサンクトペテルブルクだった。


当時は決まって、現代の大国ロシアの世界における位置付けが話題になった。ロシアがEUに加入することの可能性さえ話題になった。ロシアはNATO首脳会議に招かれていたし、G7はロシアも加えたG8だった。私の首相退任時もG8だった。従って、欧米がロシアを仲間外れにして、孤立させようとしたという主張は誤りだ。むしろわれわれはいつも、ロシアを欧米に縛り付けておく方法を考えていた。

だが、最終的にプーチンは経済の近代化を断念して、ナショナリズムを選んだ。経済改革に行き詰まった国は、たいていそういう道を選ぶものだ。さらにプーチンは、ロシア帝国の復活を考えるようになった。そんなことは不可能なのだが。ウクライナは、そんなロシアに同調することもできた(がしなかった)。プーチンにしてみれば、どうしてなんだと思っただろう。

──ウクライナは勝てるのか。

「勝つ」をどう定義するかによる。何より重要なのは、この戦争を、ロシアの侵略に報いるような形で終わらせないことだ。従って、(ロシアとウクライナが何らかの)合意を生み出せるように、欧米諸国がウクライナにあらゆる支援をすることが重要だと思う。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、最高値更新 高市首相誕生

ワールド

ボリビア新大統領、IMFへの支援要請不可欠=市場関

ワールド

米豪首脳がレアアース協定に署名、日本関連含む 潜水

ワールド

カナダ、米中からの鉄鋼・アルミ一部輸入品への関税を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中