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北朝鮮からの「援軍」で、ウクライナの戦況はひっくり返るのか...金正恩の思惑と、戦争への影響とは?

North Korea Ups the Stakes

2024年10月31日(木)17時01分
キース・ジョンソン(フォーリン・ポリシー誌記者)

これは2つの点で重要だ。まず、6月にロシアと北朝鮮が締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」の内容に沿っている。この条約では、いずれかの国が領土に攻撃を受けた場合、相手方はその防衛を助けることが定められているのだ(つまりロシアは、ウクライナ領内での戦いには、北朝鮮軍を投入できない)。

第2に、北朝鮮の応援でクルスクの戦況がロシア有利に傾けば、ロシアは一部部隊をロシア側が22年9月に一方的に併合を宣言したウクライナのドネツク州など南方に動かして、ウクライナの防衛を崩すことができる(現時点であと一歩とされている)。そうなれば、ザポリッジャとドニプロ(ドニエプル)を奪還する戦いにも弾みがつくだろう。


現在、クルスクでは、ウクライナの優位が伝えられているが、「戦意の高い1万人の兵士の応援があれば、戦況をひっくり返せるかもしれない」と、米外交政策研究所のロブ・リー上級研究員は語る。

北朝鮮軍に対応するために、ウクライナがクルスクに投入する兵力を増やせば、南方は手薄になるから、ロシアにしてみれば軍を増強したのと同じ効果が得られる。

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