最新記事
軍事

ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開

Video Shows Ukraine's New Drone-Dropped Robot Dog in Action

2024年9月28日(土)15時30分
ヒュー・キャメロン
ウクライナ軍が戦場に新兵器「ロボット犬」を投入

米企業が開発した火炎放射器搭載の「Thermonator」 @Human101Nature/X

<「ドローンが戦争を変えたように、4本足のロボットが戦闘の行方を左右する」とウクライナ側は期待。ロボット犬は中国製との情報も>

ウクライナ軍が、ロシアとの戦争の前線にロボット犬を投入し、その映像が相次ぎ公開されている。そのなかにはドローンで輸送されたロボット犬が上空から着陸し、活動を開始する映像などもある。ロボット犬は戦場において、弾薬の運搬や、監視、前線部隊への支援など幅広い活躍が期待されている。

■【動画】ウクライナ軍、ロシアとの戦場に「ロボット犬」を投入...ドローンに続く「新兵器」、各国で開発競争が激化

自律型あるいは遠隔操作型の兵器は、ロシアとの戦闘ですでに重要な役割を果たしており、特にドローンはウクライナの防衛と攻撃活動に役立っている。ウクライナ軍にロボット犬が加わることで、厳しい地形における偵察の機会が増え、地上作戦においてロシアより優位に立てる可能性がある。

UkraineNewsLiveが9月23日にX(旧Twitter)に投稿した動画では、ドローンが「戦闘ロボット偵察機」を非公開の場所に投下する様子が映されている。ロボット犬はその場で立ち上がり、歩き出している。

9月前半にウクライナ軍のホルティツィア部隊が投稿した別の動画では、ロボット犬を連れた兵士が、ロボット犬に搭載された赤外線カメラを使って森林地帯で監視活動をしている。

この2つの投稿によると、ロボット犬は「メドイド」(ミツアナグマの意)と呼ばれるウクライナの戦闘部隊に属し、ホルティツィア部隊は「ウクライナ東部で占領者の撃退に成功している」と主張している。

「中国製ロボット犬に酷似」との報道も

ウクライナが遠隔操作のロボット犬を初めて公開したのは8月。ウクライナ第28機械化旅団が、大きな被害を受けた都市をパトロールするロボット犬の動画をテレグラムチャンネルで公開した。

「ロボット犬は多くの才能を持ち、戦場で使用できる幅広い可能性を秘めている」と投稿には記されている。「ドローンが戦争を変えたように、4本足のロボットの仲間が戦闘の行方を左右するだろう」

ドイツ紙ビルトは、このロボット犬は英国の危機管理会社でドローンを製造しているブリット・アライアンスが開発したもので、同社はロボット犬を30台以上ウクライナに提供していると伝えている。しかし、米フォーブス誌によれば、このロボット犬は中国のユニツリー・ロボティクス社製のものに酷似しているという。

ブリット・アライアンスは本誌に対し、映像のロボットは同社製ではないと明らかにした。同社は「軍に」ロボット犬を供給していることは認めたものの、ウクライナ軍を含むかどうかは明言しなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、イラン・イスラエル仲介用意 ウラン保管も=

ワールド

イラン核施設、新たな被害なし IAEA事務局長が報

ビジネス

インド貿易赤字、5月は縮小 輸入が減少

ワールド

イラン、NPT脱退法案を国会で準備中 決定はまだ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中