最新記事
事件

台湾の電車内で、男が「ナイフを振り回す」衝撃映像...襲われた乗客たちが「果敢な反撃」でボコボコに

Video Shows Subway Passengers Wrestling Knife Attack Suspect

2024年5月24日(金)19時48分
ジョン・フェン

10年前には台湾史上最悪の地下鉄内ナイフ殺傷事件が発生

台中市政府警察局の李文章局長は市議会に対し、ハンには精神疾患の病歴があったと述べた。当局によると、ハンは、事件時には「とても気分が悪かった」と自供したという。いまのところ動機は不明で、台中市政府警察局にコメントを求めたが、返事は得られていない。

台中市は、台湾で地下鉄が開通した5番目の都市で、開業は2021年。台中メトロは同市唯一の地下鉄だ。地下鉄を運営する台中メトロによると、市政府駅では乗客を避難させ、いまも一般の立ち入りが禁止されている。また、車内の緊急ボタンが作動しなかったという報告があり、こちらも調査中だという。

台湾の公共交通機関では、ナイフによる殺傷事件や暴力犯罪は滅多に起きず、金属探知機も設置されていない。しかし、主要な駅のほとんどでは、スタンガンと催涙スプレーを携帯した警備員がパトロールを行っている。台中市で起きたこの事件を踏まえて、首都圏で運行する「台北メトロ」も、首都圏の地下鉄駅で警戒を強化するよう指令したと発表した。

いまからちょうど10年前の2014年5月10日には、台湾史上最悪の地下鉄内ナイフ殺傷事件が起きている。混雑した地下鉄の車内で、当時21歳の男が刃物を手に乗客に襲いかかり、4人が死亡、24人が負傷した。犯人は、2年後の2016年に死刑に処せられた。

ハンの動機は不明だが、台湾メディアは、今回の傷害事件と10年前の台北メトロ殺傷事件を関連付けて報じている。警察によると、台北メトロ殺傷事件の犯人も、精神疾患の病歴があったようだ。台中市当局は、模倣犯罪の可能性も排除できないと述べた。
(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアは景気後退の瀬戸際、経済相が警告 中銀は過熱

ワールド

自民が参院選公約発表、最大4万円給付 米関税対策「

ワールド

韓国李政権、2次補正予算を発表 追加支出147億ド

ビジネス

日経平均は4日ぶり反落、中東懸念くすぶる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 2
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 3
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火...世界遺産の火山がもたらした被害は?
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 6
    下品すぎる...法廷に現れた「胸元に視線集中」の過激…
  • 7
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 8
    マスクが「時代遅れ」と呼んだ有人戦闘機F-35は、イ…
  • 9
    【クイズ】「熱中症」は英語で何という?
  • 10
    ロシア人にとっての「最大の敵国」、意外な1位は? …
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中