最新記事
台湾

あり得ない密輸!動物87匹をテープで身体に貼り付けた女、捕まる

Customs authorities bust woman who taped 87 trafficked animals to body

2024年5月23日(木)16時30分
ジョン・フェン

インドネシアで保護された野生のサル Rosyid A Azhar-Shutterstock

<気の毒な動物たちは、一部の保護種を除いてすべて安楽死させられる>

台湾北部の税関当局は5月21日、野生動物を密輸しようとした疑いで64歳の女の身柄を拘束したと発表した。女は生きた動物87匹をテープで身体に貼りつけて台湾への持ち込みを試みたという。

【動画】絶叫に次ぐ絶叫...ニシキヘビにペットの猫が「食べられかけている」のを見つけた飼い主の反応

台湾紙「自由時報」によれば、密輸の常習犯であるこの女は19日にタイの首都バンコク発の航空便に乗り、台湾の首都・台北にある桃園国際空港に到着。友人一人と共に入境を試みた。手荷物にも少なくとも4種の霊長類を入れていたが、自由時報によれば、これらの動物は1匹を除いて全て、野生動物の輸入を取り締まる台湾の法律に従って安楽死の処置が取られる。

女は過去に生きた動物を連れて入境を試みたとして、台北税関のブラックリストに名前が載っていた。そのため税関職員がボディチェックを行ったところ、絶滅危惧種を含む数多くの動物がテープで身体に貼りつけられていたという。

87匹の中には少なくとも1匹のスンダスローロリス(別名グレータースローロリス)が含まれていた。スンダスローロリスは、スイスに本部を置く国際自然保護連合(IUCN)が作成する「絶滅の恐れのある生物リスト(レッドリスト)」でも絶滅危惧種に分類されている。

ほとんどが安楽死の運命

女が持ち込もうとした疑いがある動物には他に、コモンマーモセット、ショウガラゴ、オオスズメフクロウ、グリーンイグアナ、ナイルオオトカゲ、インドホシガメ、インドシナニシクイガメ、エロンガータリクガメなどが含まれる。

自由時報は、疾病予防および管理法に従って、台湾当局がスンダスローロリスを除く全ての動物について安楽死の処置を取る可能性が高いと報じた。

台湾の税関当局は台湾の通信社「中央通訊社」に対して、今回の件について調査を行っていると述べた。女の名前や国籍は公表しておらず、また女がテープで身体に貼りつけていた動物の正確な数についてはノーコメントとした。今回持ち込まれた動物の推定市場価格は分かっていない。

台湾では地元および域外のバイヤーたちが、隣接する中国や東南アジアの外来種にかなりの金額が支払われており、当局は長年、密輸の取り締まりに苦慮してきた。

2023年12月には、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港で、カワウソ2匹とプレーリードッグ1匹を台湾に持ち帰ろうとした台湾出身の男が逮捕された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米長官、和平協議進展に「楽観」も依然課題 ウクライ

ビジネス

中国人民銀、仮想通貨取り締まり強化 投機やマネロン

ビジネス

米スタバ労組、ブラックフライデーにスト拡大 賃上げ

ビジネス

カナダGDP、第3四半期は年率2.6%増 予想大き
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中