最新記事
注目ニュースを動画で解説

兵士の命も消耗品扱い...残虐傭兵部隊「ワグネル」は敵にも味方にも容赦なし【注目ニュースを動画で解説】

2023年5月2日(火)17時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
傭兵部隊「ワグネル」の正体

Newsweek Japan-YouTube

<ウクライナだけでなく、シリアやコンゴ民主共和国の紛争にも関与してきたワグネル。「民間軍事会社」を自称する傭兵部隊とは一体どんな組織なのかを解説した動画から一部抜粋して紹介する>

ウクライナ戦争で戦うロシアの民間軍事会社「ワグネル」には過去の傭兵部隊や正規軍と大きく異なる点がある。敵にも味方にも容赦のない「国境なき軍隊」の正体とは──。

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「自軍の無駄死にもお構いなし...残虐傭兵部隊「ワグネル」の正体【アニメで解説】」の内容を一部抜粋して紹介する。

◇ ◇ ◇

アメリカの戦略学者で元傭兵でもあるショーン・マクフェイトは、ワグネル指導部とロシア政府の関係は封建時代の騎士(領主)と配下の関係に似ていると言う。彼はまた、ワグネルとロシア正規軍の緊張関係も中世の時代に「騎士とその配下の者たち」の間にあった「昔ながらの反目」とあまり変わらないと見る。

nwyt230502_1.jpg

ワグネルの戦闘員は17世紀の傭兵たちと同じく、戦いへの参加は金儲けの手段であると同時に指導者への忠誠を示す行為でもあり、祖国のための愛国的な奉仕と見なしているようだ。彼らとワグネルという組織、そしてロシア社会との関係も、昔の傭兵制度のそれと基本的には変わらない。

nwyt230502_3.jpg

ただし、ワグネルの体質には特異な点がある。傭兵部隊であれ軍であれ、限りある兵士を簡単に死なせるわけにはいかないという事情は一致する。今のロシア政府もそうだ。しかし、ワグネルの戦術からは自軍の犠牲を最小限に抑えたいという意図が見えてこない。

nwyt230502_5.jpg

部隊の規模が小さく、戦闘員は手厚く保護されてもおかしくないが、実態は真逆だ。ワグネルの将校は、部下が勝手に携帯電話を見たというだけで平気で指を切り落とす。身内に対する残虐性は歴史的にも異様だが、そうした行為を自らのブランド構築に利用しているようにも見える。

nwyt230502_6.jpg

■詳しくは動画をご覧ください。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ウォン安と不動産価格上昇、過剰流動性だけが背景では

ビジネス

12月の豪消費者信頼感指数、悲観論が再び優勢 物価

ビジネス

ベトナムEVビンファスト、対インドネシア投資拡大へ

ワールド

EUメルコスルFTAに暗雲、仏伊が最終採決延期で結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中