
ナチスドイツの攻撃を受けたスターリングラード(1942年、写真はイメージです) Everett Collection-shutterstock
<11の時差にまたがる広大な領土が政治的な空白地帯になると、キッシンジャーも警告>
Russia has 97 percent of army deployed in Ukraine: U.K.
ロシア軍部隊は攻撃に失敗すると30両の装甲戦闘車両などを放棄して逃げた The Daily Unseen 2/YouTube
<ロシアは陸軍を「ほぼ丸ごと」ウクライナに投入している。その人員と戦車が大幅に損耗しているとすればヨーロッパの安全保障に大きな影響がある、と英国防相は語った>
イギリスのベン・ウォレス国防相は、ロシアがウクライナに陸軍をほぼ丸ごと投入していると語った。
ウォレスは2月15日、NATO国防相会議に出席するため訪れていたベルギーのブリュッセルから、英BBCのラジオ番組「トゥデイ」に出演。「今やロシア陸軍の97%がウクライナに配備されていると推定している」と述べた。国防相会議にはNATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長も出席し、会議終了後に記者団に対して、ウクライナでの戦争によりNATOの軍事支出が増えており、加盟各国に国防費の増額を促したと語った。
ウォレスは「トゥデイ」で、イギリスがウクライナを支援することで、イギリスの国防が損なわれることはないと述べた。
「ウクライナがロシアを打ち負かす手助けをすることは、むしろイギリスの安全保障を強化することになる」と彼は言う。「もしロシア陸軍の97%がウクライナに投入され、損耗率がきわめて高く、戦闘力が40%低下し、ロシアが保有する戦車の約3分の2が破壊されるか破損しているとすれば、それはヨーロッパの安全保障に影響をもたらすに違いない」
ウォレスはまた、ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシア軍は、ウクライナの複数の前線で進軍を試みるなかで大量の兵士を失い、厳しい局面を迎えているとも語った。
「大規模攻勢をかけて突き進むために、一方の勢力がこれだけの人員を投入する例は、これまでに見たことがない」とウォレスは述べた。「つい先日の進軍でも、ロシア陸軍は大きな犠牲を出した」
「トゥデイ」出演に先立ち、ウォレスはBBCのテレビ番組「BBCブレックファースト」にも出演。イギリスがウクライナ軍に対して、近いうちにジェット戦闘機を供与する可能性は低いと述べた。
Russia's Collapse Now Considered Plausible by Putin—Ex-Zelensky Adviser
ナチスドイツの攻撃を受けたスターリングラード(1942年、写真はイメージです) Everett Collection-shutterstock
<11の時差にまたがる広大な領土が政治的な空白地帯になると、キッシンジャーも警告>
Russia state TV complains Putin's red lines are "elastic"
プーチンのレッドラインはいつ発動するのか(2022年2月24日) Reuters TV/REUTERS
<ウクライナがロシア領内に入り込んで攻撃してきている現状は「受け入れがたい」、プーチンはなぜ放置しているのか>
DEATH BLOW TO NPT REGIME
対独戦勝利記念日のパレードで披露されたロシアの大陸間弾道ミサイル(2021年5月9日) AP/AFLO
<平和を維持してきたNPT(核拡散防止条約)が、独立後に核武装と決別し、主権と領土の保全を保障されたはずのウクライナへのロシア軍侵攻により、有名無実になった。これから核武装を目指す国は増えるだろう>
How China's ZT-180 Drones Could Change Russia's Fortunes in Ukraine War
キーウ市民を再びドローンが襲う?(ロシアのドローン攻撃でキーウ上空に飛来したイラン製「シャヘド136」とみられる無人機、2022年10月17日)Roman Petushkov-REUTERS
<報道によれば、ロシアは中国製の「カミカゼ・ドローン」を100機、導入する可能性がある。それも、世界がまだ見たことがない試作機だ。イラン製ドローンによるインフラや民間施設攻撃の「成功体験」をより大規模に再現したいからだ、と専門家は言う>
Belarus Ramps Up Border Patrol After Saboteurs Destroy Rare Russian Plane
ロシアの貴重な早期警戒管制機A-10 (2019年の戦勝記念日) Alexander Zemlianichenko/REUTERS
<ベラルーシに駐機していたA-50が、ウクライナを支援するベラルーシのパルチザン2人のドローン攻撃で破壊された。全部で9機しかないうちの1機が破壊されたのも問題だが、A-50はウクライナ空爆の拠点になるベラルーシ駐留ロシア空軍の「目」でもあった>