最新記事

動物愛護

「業界内では、人気者ではない」過激な動物愛護運動に燃える、映画『ベイブ』のおじさんが問い続ける理由

Happy to Be Offensive

2023年1月25日(水)11時39分
ジェイミー・バートン

「本当にひどい。あらゆるシステムが破綻している。何もかも曖昧にごまかす有害な風潮が蔓延していて、みな何を信用していいか分からずにいる。同じ人間なのに、よその国やよその街で苦しんでいる人たちには共感することがない。彼らがどんな状況にあるか理解しようと、想像力を働かせることができないのだ」

クロムウェルは俳優として数え切れないほどの映画やドラマに出演してきた。この10年だけでも、ドラマ『メディア王~華麗なる一族』『アメリカン・ホラー・ストーリー:精神科病棟』のほか、映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』『ベイマックス』など大作に出演している。

さらにさかのぼると、CGを多用した子豚の物語『ベイブ』で農場主を演じてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『グリーンマイル』『ファーストコンタクト/STAR TREK』といった話題作にも出演している。

人気ドラマで良識を問う

クロムウェルが政治活動に力を入れるようになったのは、1970~80年代に放送された刑事ドラマ『バーニー・ミラー』に出演したときだ。「それなりの成功を収めると、メディアのインタビューを受けるようになる。自分にはその機会を利用して、意見を聞いてもらうチャンスのない人たちの声を届ける責任があると思い始めた」

とはいえ、ハリウッドでは厄介者と思われているに違いないと彼は認める。「業界内では、あまり人気者ではないと思う。レッドカーペットや記者会見で、四六時中同じ質問ばかりされると、うんざりした顔をしてしまうから」

だからインタビュー中に、話をそらすテクニックを身に付けたという。

「例えば、『あの俳優と一緒に仕事ができたのは素晴らしい経験だった』と言った後、『ところで、アフリカで何が起きているか知っているか』と続ける。『あの刑務所での暴動事件については?』『彼らがどんな扱いを受けているか知ってる?』とね。おかげで要注意人物と見なされるようになった」

この春から第4シーズンが始まる人気ドラマ『メディア王』でクロムウェルが演じるユーアン・ロイは、登場回数こそ少ないものの、彼のキャリアで最も重要な役の1つだという。

ユーアンは、一代でメディア帝国を築いたローガン・ロイの気難しい兄。富についてはローガンと正反対の考えを持つ。「当初案では、ユーアンはメディア帝国を手に入れられないからヘソを曲げているだけで、基本的にはローガンと同じタイプの人間として描かれている印象を受けた」と、クロムウェルは言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用統計、4月予想上回る17.7万人増 失業率4

ワールド

ドイツ情報機関、極右政党AfDを「過激派」に指定

ビジネス

ユーロ圏CPI、4月はサービス上昇でコア加速 6月

ワールド

ガザ支援の民間船舶に無人機攻撃、NGOはイスラエル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中