最新記事

ウクライナ戦争

大規模ミサイル攻撃で墓穴を掘ったプーチン、敗戦の足音

Why Russia's Airstrikes Could Signal a Defining Chapter in Ukraine War

2022年10月14日(金)12時43分
デービッド・ブレナン

ゼレンスキー政権はNATOの後ろ盾を得てロシアの威嚇に対抗しようとしている。ウクライナをすぐにもNATOに加盟させること。それがロシアのミサイル攻撃に対する西側の最も望ましい対応だと、メレシュコは主張する。ゼレンスキーも9月末にNATOに正式に加盟申請し、迅速に承認手続きを進めるよう求める方針を発表した。

メンデルは、ウクライナ大統領府長官のアンドリー・イェルマークとNATO元事務総長のアナス・フォー・ラスムセンが共同議長を務める作業グループが策定した「キーウ安全保障盟約」に期待する。ウクライナのNATO加盟が正式に承認されるまでの間、NATOの集団防衛にウクライナを暫定的に含める内容だ。

ロシアはウクライナの人々を極寒地獄に陥れるため、冬を迎える前にさらにエネルギー施設を破壊すると脅しをかけている。

だがウクライナ当局が誇らしげにネット投稿している画像や動画でもわかるように、ミサイル攻撃で被害を受けたライフラインの復旧は急ピッチで進んでいる。

新型ミサイルはすぐ底を突く

「新たな攻撃があるたびに、新たな作業に追われる」と、キラルは言う。「市内の公共サービスはその日のうちにおおむね復旧できた。停電や断水にはすぐに対応でき、数日ではなく、数時間単位で解消できるが、インフラ施設の修復には時間がかかり、市民に節電や節水を求めなければならない」

ウクライナ外務省も、「インフラを再建し、学校、幼稚園、病院などに電気を送り、暖房ができるようにするために、追加的な技術・財政支援を歓迎する」と、西側に訴えている。

一方で、ロシア軍には長期にわたってピンポイントの空爆を続ける余力はなさそうだ。先端の精密誘導兵器に必要な部品が西側の制裁で入手できなくなっているからだ。

「イスカンデルやクラブなど、ロシアが保有する精密誘導兵器は数が限られている」と、国際危機グループのイグナトフは指摘する。「大量にあるのはソ連型の旧式ミサイルだけ。これでは目標を正確に狙えないため、重要な都市インフラを破壊できる確率は減っていき、犠牲者だけが増えていく」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:中東の高級車市場に戦火の影響、金箔仕上げ

ビジネス

中東情勢、5月までに終結なら影響限定 年末株価6万

ビジネス

日銀短観、景気は緩やかに回復・中東情勢の影響注視と

ビジネス

午前の日経平均は大幅反発、5万3000円回復 中東
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 5
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 6
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中