最新記事

陰謀論

陰謀論のQアノンをSNSで煽るトランプ──1日で50本連投も

In QAnon Renaissance, Conspiracists Feast on Trump-Biden War of Words

2022年9月6日(火)19時25分
アンドリュー・スタントン

トランプとバイデンの対立は、ますます激しさを増している。2人は長年、政治的に対立してきたが、トランプが一連の投稿を共有したこと、そしてバイデンが9月1日に行った演説の中で「MAGA(『アメリカを再び偉大に』というトランプのスローガン)を掲げる共和党員」を非難したことで、党派間の分裂はますます深まっている。

バイデンは演説の中で、共和党の全てのメンバーが「過激なイデオロギー」を支持している訳ではないが、「今日の共和党はトランプとMAGA共和党員によって支配され、駆り立てられ、威圧されており、それがこの国の脅威となっている」と述べた。

Qアノンのある「テレグラム」チャンネル(フォロワー15万人近く)は、バイデンのこのスピ―チを受けて「彼らは政治戦争を望んでいる。私たちを分裂させようとしている」という文章を投稿し、その横に「Q」の文字を書き添えた。

3日には、Qアノンの別の「テレグラム」チャンネル(フォロワー30万人近く)が、FBIが機密文書の不適切な管理をめぐってトランプの別邸「マールアラーゴ」を捜索したのは、相手の罪をでっち上げて攻撃する「偽旗作戦」だと非難した。「ディープ・ステートは必死だ」

アプリストアから排除を求める声

トゥルース・ソーシャル上に14万4000人のフォロワーを持つあるアカウントは、「Qのメッセージが正しいとわかる日がついに訪れる」と投稿した。

「先の見通しが立たない状況の中でも、私たちは希望を捨てなかった。Qには揺るぎない証拠があり、私たちには揺るぎない信念があったからだ。私たちはまだゴールには到達していない。それでも近いうちに、数多くの勝利を祝うことになるだろう」

一方、トランプの今回の投稿を受けて、トゥルース・ソーシャルを各種アプリストアから排除すべきだと呼びかける声も上がっている。非営利団体「ワシントンの倫理と責任を求める市民(CREW)」は、次のようにツイートした。「トランプは2020年大統領選の結果を否定し続け、Qアノンの声明をリポストし、トゥルース・ソーシャル上で自分の支持者たちが政府職員を脅すのを許している」

Qアノンの陰謀論については、昨年の連邦議会議事堂襲撃に参加した暴徒のなかに信奉者が多く含まれていたことから、「暴力を煽る」として専門家が懸念を表明している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中