最新記事

パンデミック

オミクロンBA.5登場で中国は「ゼロコロナ」政策継続へ 経済への影響長期化

2022年7月18日(月)14時02分
北京で新型コロナウイルス検査を受ける人

中国は新型コロナウイルスを巡り、厳格に感染を抑止する「ダイナミックゼロ」政策を小幅に修正しているものの脱却する兆しは見えず、ワクチン接種でも遅れを取っている。写真は北京で検査を受ける人。6日撮影(2022年 ロイター/Thomas Peter)

中国新型コロナウイルスを巡り、厳格に感染を抑止する「ダイナミックゼロ」政策を小幅に修正しているものの脱却する兆しは見えず、ワクチン接種でも遅れを取っている。このことは中国経済に暗い影を落とし続けそうだ。

政府はダイナミックゼロ政策脱却に向けた工程表を示していない。こうした政策は来年も続くと予想されており、住民と企業を覆う不透明感は長引く見通しだ。

最近も感染が散発して一部都市ではロックダウン(都市封鎖)が実施された上、感染力の強い新型コロナ変異種「BA.5」が登場したため、懸念はさらに強まっている。

ロックダウンの影響に加え、くすぶり続ける不動産市場の問題と世界経済の不確実性が中国経済に重くのしかかる。

今週は、上海の住民2500万人に新型コロナの集団検査が義務付けられた。野村の推計では、11日現在、31都市が全面的もしくは部分的なロックダウンを実施中。これらは国内総生産(GDP)の4分1に寄与する地域であり、約2億5000万人が影響を受けている。

諸外国がコロナとの共生を図っているのとは対照的に、中国の習近平国家主席は厳格な対策によって救われた命を強調する。

現在はワクチンによって新型コロナの致死率が大幅に下がったにもかかわらず、中国は過去の感染抑止策の成功に捕らわれ続けている、との指摘もある。

みずほの首席アジアFXストラテジスト、ケン・チョン氏は13日、「世界の他の国々が活動を再開し、サプライチェーン(供給網)が正常化する中、中国のゼロコロナ政策は輸出受注と生産を諸外国にシフトさせるだろう」と記した。

欧州連合(EU)商工会議所のJoerg Wuttke会頭は「世界は中国が集団免疫を高めるのを待っていられない」と述べた。 

自国製ワクチンに不信感

中国は感染拡大と死者数の増加を食い止めた裏返しとして、集団免疫の獲得が遅れている。

それでも積極的なワクチン接種策には乗り出していない。北京市は、人混みの多い場所に入る際にワクチン接種を義務化する計画を立てたが、インターネット上で強い反発に遭って先週撤回した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人・失業率4.6

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中