最新記事

ウクライナ

【戦況マップ】ロシア軍は数日でこれだけ占領地域を失った

Ukraine Maps Reveal How Much Territory Russia Has Lost in Just a Few Days

2022年5月12日(木)16時52分
ジェラード・カオンガ

侵攻開始直後、キーウ近郊の村で墜落したロシアのMi-8ヘリの残骸 Mykola Tymchenko-REUTERS

<ロシアがウクライナで掌握した地域を失いつつあることを示す地図がSNS上に投稿され注目を集めている>

ロシアのウクライナ侵攻が長引いている理由として、複数の国の諜報機関は、ウクライナ側の抵抗を過小評価していたからだと指摘する。最新の戦況地図も。ロシア軍がこの数日間で、ウクライナで奪った複数の領土を失いつつあることを示している。

シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」の研究員ネイサン・ルーザーは5月10日、ツイッターの自身のページで複数の地図を共有した。ウクライナ国内の領土争奪状況の変化を示したものだ。

「プーチンの戦争」という書き出しで始まるコメントでルーザーはこう書く。「ウクライナ軍の部隊が東部ハルキウ(ハリコフ)近郊で、(ロシア軍が)放棄した5つの村に進軍。ロシア軍の部隊は東部の要衝イジュームに近いVelkya Komyhuvakhaの町を奪取した。ドネツ川を渡るロシア軍部隊に対する掃討作戦が続いている」

地図は、青で塗られた部分がウクライナの支配下にある地域を示し、赤で塗られた部分がロシア側の支配下にある地域を示している。これらの地図が正確かどうか、本誌として独自に確認はできていない。

ウクライナは複数地域で目立った進軍

今週はじめには、ロシア軍がハルキウから撤退しつつあることを示す別の地図がソーシャルメディアに投稿された。ウクライナ軍部隊がハルキウの北部と北西部で大規模な進軍を果たしていることを示す複数の地図(信ぴょう性は未確認)もある。

2月24日以降、ドローン画像と衛星画像を使って、ロシア軍の侵攻状況を示す地図を公表している@War_Mapperは10日、ウクライナ側がハルキウ近郊で2度にわたって攻勢に出たと報告。これによりハルキウ北部のSlobozhanske、Borshchova、Rus'ki TyshkyとCherkas'ki、さらには北西部のバイラク、ルビージュネ、Verkhnii、SaltivとZamilivkaの集落を奪還したとしている。

英国防省は10日にツイッターで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9日の対ナチスドイツ戦勝記念日に戦果を発表することができなかった、と指摘した。

同省は投稿の中で、「ロシアがウクライナの抵抗を過小評価し、自国にとっての『最良のシナリオ』を基に軍事作戦の計画を立てていたことが、作戦の失敗につながった」と分析した。「ロシアの侵攻作戦は、限定的な抵抗にしか遭わず、ウクライナの人口密集地を迅速に包囲・迂回できる、という誤った想定に基づいて立てられた可能性がきわめて高い」

ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マクロスコープ:円安巡り高市政権内で温度差も、積極

ビジネス

ハンガリー債投資判断下げ、財政赤字拡大見通しで=J

ビジネス

ブラジルのコーヒー豆輸出、10月は前年比20.4%

ビジネス

リーガルテック投資に新たな波、AIブームで資金調達
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中