最新記事

安全保障

英、スウェーデン・フィンランドと安保宣言に署名 有事に軍事支援

2022年5月12日(木)10時26分
イギリスのジョンソン首相(左)とスウェーデンのアンデション首相(右)

ジョンソン英首相は11日、北欧スウェーデンおよびフィンランドと欧州の安全保障強化に向けた新たな協定に合意したと発表した。写真はジョンソン首相(左)とスウェーデンのアンデション首相(右)(2022年 ロイター/Christine Olsson/TT News Agency/via REUTERS)

ジョンソン英首相は11日、北欧のスウェーデン、フィンランドと安全保障強化に向けた新たな合意文書に署名した。2カ国が攻撃を受けるなど有事の際は、英国が軍事支援を行うと表明した。

英国は新たな宣言を「防衛・安全保障協力における変革」と位置づけ、情報共有のほか、合同軍事訓練・演習や軍事力配備が強化されると説明した。

ジョンソン氏はフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた記者会見で、宣言は有事の際の相互支援を規定しており「軍事支援が含まれる」と述べた。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、スウェーデンとフィンランドは北大西洋条約機構(NATO)に加盟する見込み。ただ、加盟手続きは長い場合1年かかる可能性があり、手続き期間中に脅威にさらされる可能性を両国は懸念している。

フィンランドのニーニスト大統領はNATO加盟によってロシアを挑発することにならないかとの質問に対し、加盟の決定に向かわせたのはロシアのプーチン大統領だと応じた。

ジョンソン首相は、支援の形について「相手国の要請次第」と述べた。また、NATOは防衛同盟だと強調。「NATOは誰にも脅威をもたらしていない。相互防衛がその存在目的だ」と語った。

ジョンソン首相の報道官によると、先に開かれたスウェーデンのアンデション首相との会談では、ロシアのウクライナ侵攻によって国際安全保障の構造が根本的に変化し「プーチン氏との関係は決して正常化できない」との見解で一致した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ北部の学校に攻撃、パレスチナ人15人が死亡=保

ワールド

ドイツ国防相、600億ユーロ超への国防予算増額目指

ワールド

インドがパキスタンの「テロ拠点」攻撃、26人死亡 

ワールド

ウクライナに「テロの傾向」、モスクワ無人機攻撃で=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べる…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    「欧州のリーダー」として再浮上? イギリスが存在感…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 9
    首都は3日で陥落できるはずが...「プーチンの大誤算…
  • 10
    「関税帝」トランプが仕掛けた関税戦争の勝者は中国…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中