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エリザベス女王の「バービー人形」、シワひとつないモデル体型の姿に賛否の声

2022年4月22日(金)19時44分
ジェームズ・クロフォード=スミス
エリザベス女王

エリザベス女王(2022年3月) Steve Parsons/Pool via REUTERS

<女王への最高の賛辞との評価の一方、96歳という年齢相応の老化の兆候が一切表現されておらず「誤ったメッセージ」と批判の声も>

イギリスのエリザベス女王が今年、在位70周年の「プラチナ・ジュビリー」を迎えるのを記念して、女王をモデルにしたバービー人形が発売される。人形は白いドレスにティアラ姿で、宝石がついた記章やリボンの飾りが施されている。だがこのバービー人形について、96歳の女王のありのままの姿を表現したものではないと、インターネット上で批判の声があがっている。

女王がプラチナ・ジュビリーを迎えるにあたっては、数多くの記念グッズが発売されている。そうしたなかで今回、着せ替え人形「バービー」で有名な米玩具大手「マテル」が発売したのが、女王をモデルにしたバービー人形だ。

75ドルで売り出される人形は、エリザベス女王の最も象徴的なスタイルのひとつである正装の姿を表現している。女王のあの象徴的なヘアスタイルに白いイブニングガウンをまとい、女王の祖母であるメアリー王妃のフリンジ・ティアラを模したティアラをつけている。

英王室の歴史家であり、『私たちのエリザベス女王』の著者であるケイト・ウィリアムズは、この人形について「象徴的」だと述べ、次のように評価した。「偉大な女王への素晴らしい賛辞であり、エリザベス女王の貢献、知性、尽力と力強い精神を体現している。バービー人形はこれまでもずっと女王であり、今回『エリザベス女王』となった」

「若見え」と「モデル体型」に批判

しかし誰もが手放しでこの人形を称賛している訳ではない。96歳の女王をモデルにしながら、老化の兆候が一切表現されていないことに、インターネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。

年齢による差別に反対する運動を行っている活動家のニッキー・クラークは、ツイッターにこう投稿した。「96歳の女性への賛辞ならば、女王と同じように、しわがあるバービー人形の方がずっとふさわしい。この人形は、少女たちに『年齢は重ねても、若く見えなければならない』という、ひどいメッセージを発信している。#年齢相応に#女王の要素を排除しないで」

デイリー・メール紙のレベッカ・イングリッシュ王室担当編集員も、ツイッターへの投稿で、身長約160センチの女王をモデルにした人形が、バービーの「モデル体型」になっていると指摘し、次のように述べた。「女王がバービー人形として、その姿が永遠に残ることになった。女王の本来の身長である約160センチではなく、バービーの有名な(悪名高い)モデル体型につくられている。一方で人形は、女王の父親と祖父の肖像が施されたロイヤル・ファミリー・オーダー勲章と、結婚時に使用したティアラをつけている」

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