最新記事

英王室

エリザベス女王の「バービー人形」、シワひとつないモデル体型の姿に賛否の声

2022年4月22日(金)19時44分
ジェームズ・クロフォード=スミス

今回のバービー人形と、女王を「美化」したそのほかの表現を比較する声もあった。ラジオ番組司会者のトレイシー・ハントは、次のように投稿した。「この人形は、映画『クイーン(2006年)』でヘレン・ミレンが表現したエリザベス女王を思い起こさせる」

CBSニュースのキャスターであるジム・ドノバンもまた、今回のバービー人形と『クイーン』で女王を演じたミレン(彼女は同作品でアカデミー賞の主演女優賞を獲得した)の類似点を指摘し、次のように書いている。

「エリザベス女王が在位70周年を記念するプラチナ・ジュビリーを迎えるにあたって、歴代君主最長の在位を記念するバービー人形が発売される。この人形の顔が女王というより、女優のヘレン・ミレンに似ているように思うのは私だけだろうか。皆さんはどう思う?」

バービー人形のファンやコレクターは確実に、今回の人形を気に入るだろう(そもそもファンやコレクターを意識してつくられた人形だ)。発売に合わせて発表された声明には、「コレクションとしての価値を保つために、人形を箱に入れたまま保管したい人々のために、パッケージも人形の威厳と重要性を表すデザインになっている」と記されている。

声明はさらに、こう続けている。「パッケージはバッキンガム宮殿に着想を得たデザインで、宮殿内の『玉座の間』にある王座と赤いカーペットを思わせ、女王の即位70周年を記念する紋章のロゴとメダルがついている」

今年に入って既に複数の公務を欠席

6月にはロンドンで、プラチナ・ジュビリーを祝うさまざまな行事が予定されている。イベントには、軍事パレードの「軍旗分列行進式」やセントポール大聖堂での記念礼拝、バッキンガム宮殿での特別コンサートなどが含まれている。

しかし96歳のエリザベス女王はこのところ、健康上の問題や歩いて移動することが難しいなどの理由から、複数の公務を欠席しており、女王が全ての祝賀行事に参加できる健康状態を維持できているかどうかには、懸念の声もある。

女王は今年に入って既に、毎年恒例の重要な公務を何度も欠席している。3月14日にウェストミンスター寺院で行われた英連邦記念日の礼拝、4月17日にウィンザー城内の聖ジョージ礼拝堂で行われたイースターの礼拝などだ。2月にはウィンザー城での公務の際に、調子はどうかという質問に対して「ご覧のとおり、動けないの」と答えている。

エリザベス女王は21日に96歳の誕生日を迎え、当日はイングランドのノーフォーク州にある別邸でゆっくり過ごしたという。ここは夫である故フィリップ殿下が、公務引退語に多くの時間を過ごした場所でもある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今

ワールド

APEC首脳会議、共同宣言採択し閉幕 多国間主義や

ワールド

アングル:歴史的美術品の盗難防げ、「宝石の指紋」を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中