最新記事

ロックダウン

午前4時に老婦が叫び、食料は届かず 上海ロックダウンの「恐ろしい一日」

2022年4月12日(火)20時45分
川口陽
ロックダウン下の上海

封鎖された住宅エリアの門には、大きな警官のパネルも(4月11日、上海) Aly Song-REUTERS

<鎖で出入りを禁じられる住居まで......>

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、全面的ロックダウン(都市封鎖)が続く上海。極度に制限された生活を内側から記録する女性のTikTok投稿が、ネット上で注目を集めている。

月曜午後、上海に住むTikTokユーザーのロッシェル(@its__rochelle)は「ロックダウン10日目」と題した動画を公開した。映像には「これまでで最も恐ろしい日」というキャプションが添えられ、すでに100万回以上再生されている。

午前4時に「叫び声」で目が覚めたロッシェルは、外で老女が泣きながら助けを求めていることに気付く。「コンパウンド(集合住宅)」のグループチャットで他の住民は「その女性は精神病だから」と述べ、ある人は日中にその女性が食べ物を乞う姿を撮影した映像をシェアした。

ロッシェルの映像では他にも、検査を受けるために列に並ぶところや、そこで支給されたビニール袋の中身(検査セット・薬・マスク)が確認できる。また、近所の住民から「水道水なのに消毒液のような味がする」と連絡が入り、ペットボトルの水を届ける一幕も。終盤には、威圧的なステッカーが貼られた玄関ドアの静止画も紹介されている。本物の鎖で出入りを禁じられている住宅まであるという。

@its__rochelle Probably the most horrific day so far...#lockdown #lockdownlife #shanghai #foryou ♬ Roxanne - Instrumental - Califa Azul

コメント欄ではより詳しく実情を語っている。週末に届くはずだった食料が月曜になっても届かないという報告も。(この後、「11日目」の動画で届いた食料が紹介されている)

また「ロックダウン9日目」の動画では、4日間誰も回収に来なかったため、玄関の外がゴミの山になっていることも伝えられた。

上海の新規感染者数は4月に入ってから過去最多を更新し続け、日曜には約2.5万人の新たな感染が確認された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中