「1回の攻撃で奪う」 ロシアの「失敗」に学び、中国の侵攻作戦はどう変わった?
CHINA IS WATCHING
中国の攻撃は、台湾より中国本土に近い金門島と馬祖島への限定的な侵攻から始まるだろうと、台湾とアメリカのアナリストは推測してきた。ただし、台湾本島に手を出さずにこれらの領土を掌握することは、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合し、東部ドンバス地方を占領した後と似たような影響をもたらす可能性がある。
つまり、中国に最も友好的な有権者層を失い、台湾のアイデンティティーと欧米との同盟関係を強固なものにしかねない。
実際、台湾の国防当局は、小規模な侵略が最も可能性の高いシナリオだとは考えていないようだ。邱国正(チウ・クオチョン)国防部長(国防相)は3月10日に立法院(国会)の委員会の公聴会で、台湾全土への飽和攻撃(相手の対処能力を超える攻撃)と、同時かつ迅速な水陸両用攻撃による本格的な軍事作戦になるだろうと述べた。
「中国のあらゆる侵略の目的は、台湾を占領することだ。金門などの離島を奪取する力はあるのにやらないのは、1回の攻撃で奪えるという確信が必要だからだ。1回で奪えなければ、ロシアがウクライナで直面しているのと同じ状況に陥る。そのリスクが彼らをためらわせている」

ロシアの教訓は攻撃「第一波」の重要性
米シンクタンク、ジャーマン・マーシャルファンドでアジア・プログラム・ディレクターを務めるボニー・グレーザーは、中国軍はウクライナにおけるロシアの作戦を綿密に研究して明確な教訓を導き出すだろうと語る。
「1つは、最初の攻撃で相当な規模の武力を行使すべきだということだ。台湾が大規模な領土防衛の準備をしているなら、中国は過去に経験のない形でそれを計画に織り込まなければならないだろう」
ウクライナと同じように、台湾の軍隊は侵略軍に比べて数的には不利だ。ただし、自分たちの拠点で、自国製およびアメリカ製の武器と装備で戦うことができる。さらに、台湾海峡の幅は約160キロで、海が荒れる季節は横断しにくいなど、防衛側に地理的な利点がいくつかある。
台北・国防安全研究院のクリスティーナ・チェン補助研究員は、侵攻を撃退するために頑強な対機甲および対空兵器がいかに重要かということは、ウクライナから得た明らかな教訓だと語る。
「相当量の対戦車・対空ミサイルを効果的に活用するためには、民兵や予備役の訓練が必要になる。さらに、ウクライナは戦闘力の大部分(戦車、航空機)を無傷で維持している。何よりも、防空システムがあまり破壊されていない。その結果、ロシア軍は上空で完全な優位に立てずにいる。ウクライナの経験は、自国の領内で活動する小規模な防衛力が強力になり得ることを示している」





